ウェブサイトの企画制作や運用、システム開発などを手掛けるツクリエ(西区楠木町1-13-11、寺澤脩平社長)は1月設立の関連会社FP16(同所、二宮貫社長)でAIデータ解析分野の研究開発に力を入れる。インターネット上に幾多あるサイトから特定の情報を自動的に収集してビッグデータ化する技術「ウェブスクレイピング」を軸に、幅広い業種への展開を目指す。同技術では例えば不動産業者が物件の取引価格を算出する際、自社での過去の査定実績やウェブ上にある他社の事例など、大量の情報を効率的に集めてデータベース化できる。加えてAIが過去の実績などから査定担当者の経験則も学習し、短時間で高精度な算出を実現するという。他にもECサイトの運営やメーカーの市場調査といった多様な場面でAI解析は有効とされ、人手不足への対策や労働時間短縮につながるとして技術開発の期待が高まっている。そのほかFP16では、実在する人物の声質を学習して本人に似た声を作成するAIボイスクローン技術、BtoC事業者がLINE上で集客や予約管理をするシステム、中〜大規模事業者向けに社内規定のような多くの情報をあいまい検索できるシステムの制作なども行う。ボイスクローンは自動音声での受付や営業電話といった活用を見込む。母体であるツクリエは、10数年前にウェブ制作で個人創業した寺澤社長が2016年に設立。従業員数15人で東京に支社を持つ。AI分野の成長を見据えて設立したFP16は寺澤CEO、ツクリエで開発を担う二宮社長ら4人が共同出資した。

担当記者:近藤

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