家電・日用雑貨品卸などの持ち株会社ソシオグループ(中区舟入幸町25-3、日高寛彰社長)は、6月16日付で島根県大田市温泉津町の老舗温泉旅館の経営を継承し、新会社「(株)のがわや旅館」(資本金500万円、河原一世社長)を設立した。M&Aや分社化などを実施し、業種業態の異なるグループ事業会社はこれで7社に増えた。来春導入へ、グループとして新たな評価に基づく新人事制度を策定しており、モチベーションを高めて業績アップにつなげる狙いだ。
新会社は、河原社長の両親が経営していた大正元年(1912年)創業の温泉旅館を引き継ぐ。河原社長はソシオ取締役を兼務する。同旅館は1300年前から温泉地として歴史のある重要伝統的建造物群保存地区に位置。10室40人定員で、のどぐろや石見銀山和牛など地元産食材をふんだんに使ったコース料理を提供する。年商規模は1億円強。7社は、ソフトバンクショップ代理店事業のCrear、ワインセラーや冷凍庫、冷蔵庫などの家電製品・企画開発のデバイスタイル(東京)、自社ブランド家電製品販売のデバイスタイルマーケティング(同)、2022年8月に買収した日用雑貨品卸の九州大和(福岡市)を存続会社に、家電製品卸の子会社・広陽家電販売を吸収合併したダイワトレーディングなど。24年3月期連結売り上げで初めて40億円を突破し、今期は42億円を見込む。事業会社へ権限移譲する独自のカンパニー制を敷く。7社のうち3社はM&Aで、今後も後継者難の事業承継などで事業領域の拡大を図る方針だ。来年4月スタートさせる新人事制度は年功序列制から脱し職務として必要な能力、仕事力、人間力を評価軸に各社従業員のポテンシャルを高め、全体で業績が上がる人事を目指す。どの能力を高めると業績向上につながるのかを見極めた賃金体系に改める。
担当記者:藤井