アパート経営総合プロデュースのKIZUKU(中区河原町1-26、橋沢宏弥社長)は6月中旬を目途に賃貸管理のグループ会社ルームスタイル(社長同)を完全子会社化する。資産形成を支援する賃貸アパート総合プロデュースをコア事業として全面に打ち出し、県外にも攻勢をかける構えだ。アパート経営プロデュース事業は2017年から本格的にスタート。不動産による資産運用や投資は安定的で持続性が望めると判断した。ルームスタイル設立10 周年を機に事業推進体制を整え、賃貸アパートの用地探し〜設計施工〜管理運営サポートの一貫体制で市場開拓のスピードアップを図る。子会社化に伴い決算月を11月に統一し、今期はプロデュース累計87棟、連結売上高4億8000万円を見込む。87棟のうち約7割を広島が占め、県外は島根、鳥取、岡山、山口、熊本に拡大。早期200棟達成を見据え、西日本エリアで賃貸需要の高い政令指定・中核都市をターゲットにマーケティングを進めて今年度中の進出を図る。ルームスタイルは現在770戸を管理し、1000戸に引き上げる計画だ。中期経営計画(3カ年)を策定し、最終の27年度で連結売上高10億円を目指す。大手ハウスメーカーが競合するアパート経営の不動産ビジネスで、プロデュース特化は珍しい。橋沢社長は賃貸業を手掛けるうち、自社で賃貸アパートをプロデュースすれば入居者の要望や希望に応えられ、高い入居率を維持できると考えた。木造短工期のデザイナーズアパートを主力に、収益の見込める用地を絞り込み、ターゲットの入居者やコンセプトを設定。マーケティングに基づく外観や内装デザイン、宅配ボックスと浴室乾燥機などを備え、無料Wi-Fi、玄関スマートキー・エアコンなどがスマホで作動できるIoT利用環境を標準装備とする。競合との差異化を図るため、新サービス・商品の開発も進行中だ。
担当記者:藤井