倉庫・在庫管理システム開発のオンザリンクス(中区大手町、東聖也社長)は3月から、製造業向けシステムに特化した開発・営業にかじを切った。これまでは在庫を持つ幅広い業種を対象としたが、強みを生かせる同分野に資源を集中させ、事業成長を加速させる。2024年8月期売上高は前年比53%増の4億円を見込み、25年に6億円を目指す。
在庫を見える化する「インターストック」をはじめ、出荷効率化の「輸快通快」などのパッケージシステムを主力としている。設計図に当たるソースコードを公開し、導入企業が自由にカスタマイズできるように指導まで行う内製化支援が特徴。導入企業は社内で迅速にシステムを改修できるため、サービス品質の向上とコスト削減のメリットがある。物流に関わる同様のサービスは珍しく、引き合いが増加している。特に製造業は受注〜製造〜納品の過程で、複雑な在庫・生産・出荷などの管理が必要で、そこに課題を抱える企業は全国に多いとみる。これまでの導入実績で蓄えたノウハウを機能に反映させ、顧客自身が気付いていない課題やニーズを解消できるシステム開発に集中する。今後、提案型営業を仕掛け、中堅以上の企業に導入先を広げる。1999年に創業。主力のパッケージシステムは、複合機の京セラドキュメントソリューションズ(大阪)、出版のKADOKAWA(東京)、島村楽器(同)など、業界大手を含めた約900社に導入実績がある。東社長は「特定のIT企業に依存する『ベンダーロックイン』を防ぎ、ユーザーが主役のシステム導入を実現する。首都圏の大手からの引き合いが多いが、県内のものづくり企業にも積極的に導入を提案していきたい」と話す。
担当記者:梶原