食品卸、給油所運営などの広川グループ(西区楠木町、廣川正和社長)は6月、西日本で初めて防災がテーマの全世代向け体験型アミューズメントパーク「ノーボ広島」を安佐北区大林町2137-2のスポーツランドタマダ内にオープンする。重量3㌧未満の建設機械(ミニショベルなど)の免許取得講習に加え、災害復旧を想定した独自の操作訓練カリキュラムを提供。子ども向けの体験イベントも実施し、楽しく遊びながら、利用者の防災意識を高める場にしたいとする。

場内マップ

重機ボランティアの不足が被災地の早期復旧への課題となる中、(財)日本笑顔プロジェクト(長野)が2020年に同テーマパークを企画し、すでに長野、千葉、埼玉、群馬で4拠点を展開。広川グループは同法人にFC加盟し、サーキット場、サバイバルゲーム会場運営のスポーツランドタマダの一画(約1000平方㍍)を使って広島版を立ち上げる。重機の免許取得講習は「小型車両系建設機械運転特別教育」に該当し、実技とオンライン学科講習(計2日間)を実施。年140人の資格取得者輩出を目指す。併せて、月額3000円から、ミニショベルの操作練習ができるプラン(利用枠は最大6カ月繰り越し可能)も提供。災害復旧を想定した初級、中級、上級の3段階のカリキュラムを用意し、上級者はFC本部災害支援プロジェクトの重機ボランティアとして活動できる。そのほか、子どもが楽しく遊びながら学べるイベントも実施する。3歳以上を対象にミニショベルの操縦、四輪バギー試乗、キャンプ、火おこし、農業体験などを検討しており、行政や企業との連携も模索する。同グループは食品卸の広川、燃料油やLPガス、住設機器などを扱う広川エナスを2本柱に、グループ7社で構成。暮らしに関する分野を中心に多角化を進めており、23年に防災事業に参入。災害用の簡易トイレや、浸水を防ぐ吸水性土のうなどを販売している。創業167年で培ったネットワークと信用を強みに、新事業創出に注力する。

担当記者:柴田

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