総合印刷・企画・デザインなどのユニバーサルポスト(西区商工センター、喜瀬清社長)は、消費者一人一人に合わせた「One to One」のマーケティング支援を強化する。クライアントの商品・サービスのブランディング工程に〝感想設計〟という新しい概念を取り入れるとともに、感性に働き掛けるデザインなどを通じて訴求力を向上。1部ずつ内容の違うデータでも一度に印刷できるバリアブル印刷機を使い、DMやチラシには対象の価値観や好みに合わせた内容を盛り込む。年内にも印刷機を増設し、受注拡大を目指す。

同社はクライアントのマーケティング支援を行う際に、ブランディングを重視。商品はもちろん、容器や包装紙、スタッフの応対、店舗の雰囲気、HP、ECサイト、SNSなど、それぞれ消費者にどのような感想を持ってもらいたいのか、言語化していく。その実現に必要な改善策を同時に検討することで、他社との差別化につながるという。商品カタログや販促チラシ、DMなどにも感想設計の考えを取り入れ、パーソナライズドメッセージを届ける。クリエイティブチームが心理学や感性工学に基づき、それらの印象に沿ったデザインを考える。また、〝個客〟分析によって共通項が最も多い価値観に絞ったメッセージを採用し、マス広告を打つといった方法も費用対効果が出やすい。調査やデータ分析も代行。ウェブサイトやSNSなどを一体的に使い、効果を最大化する。CRM(顧客関係管理)と連動可能なデータベースを使い、タイミングよくDMを自動発送できる仕組みも整えた。データをアップロードしておけば購入時や退会・解約時、誕生日や節目、購入頻度が落ちたタイミングなどに、その客の状況に応じたDMを届ける。BtoBの新規開拓戦略として、DM記載の専用QRコードを通じてサイトが閲覧されているタイミングを広告主が把握でき、即座に電話をかけられるシステムも設けている。個客を意識した一つ一つ異なる販促物は本来、印刷の面で効率が悪い。同社は2019年に、バリアブル対応の高速インクジェットプリンタ(SCREENホールディングス製)1台を初めて導入。23年にはDMに封をする際の圧着ノリが自動で塗られるバリアブルプリンタ(富士フイルムビジネスイノベーション製)を入れた。今年中に、SCREEN社製の同機種リニューアル版を1台追加する予定。4月には既存組織をビジネスデザイン事業部に昇格させており、One to Oneマーケティング支援に関わるメンバーは11人を数える。

担当記者:吉田

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