広島県がまとめた2023年度の広島港(宇品外貿第5バース、五日市11、12㍍岸壁など)へのクルーズ船の入港数は63隻と、コロナ前の19年度の57隻を上回り過去最高になった。福山港、尾道糸崎港など県内の他港にも延べ16回入港した。県港湾振興課は「広島港以外に外国客船が寄港したのは初めて」としている。今年3月末には広島港宇品外貿ふ頭に出入国管理棟や待合室があるクルーズターミナルを完成。24年度も4月17日現在で広島港だけで73隻の入港が予定されており、過去最高を更新する見通し。
23年度はマルタ船籍の「MSCベリシッマ」(全長315㍍・17万1598㌧、乗客定員4488人)=写真=が6月と9月に五日市11、12㍍岸壁に寄港。イタリア船籍の「カーニバル ルミノッサ」(294㍍・9万2720㌧、2826人)が10月に五日市岸壁、バハマ船籍の「ノルウェージャン・ジュエル」(294㍍・9万3502㌧、2883人)が10月と3月に計3回、五日市岸壁に寄港するなどした。広島港以外では福山港(鞆の浦沖泊め=小型船で上陸)に「スターブリーズ」(159㍍・1万2969㌧、312人)が計4回、「ルソレアル」(142㍍・1万992㌧、264人)が計3回、にっぽん丸(166㍍・2万2472㌧、449人)が1回の計8回入港した。尾道糸崎港(糸崎2号岸壁、木原沖泊め、瀬戸田沖泊め)にもスターブリーズなどが計5回、ルソレアルは御手洗港(沖泊め)に2回、蒲刈港(沖泊め)に1回入港した。24年度は4月24日に五日市に入港したクイーンエリザベス(294㍍・9万901㌧、2081人)などが広島港に寄港を予定している。県は宇品外貿ふ頭に、税関・出入国管理・検疫を行うCIQ棟(平屋953平方㍍)と展望スペースがある待合棟(同387平方㍍)の2棟を完成した。総事業費は周辺整備を含め約9億円。クルーズ船利用者が円滑に出入国手続きできる環境を整えた。
担当記者:大谷