太陽光発電設備施工などのES技研(中区東白島町、久保田英規社長)は、2023年12月期売上高で前年から2倍超の17億9800万円を計上した。企業の敷地内に発電設備を設ける「オンサイトPPA」の受注が急伸。18年の設立以来、初めて年商10億円を超えた。京セラグループの京セラEPA(京都)と21年にPPA事業に関する業務提携を結んだ。発電設備をEPAから借り受け、設置・保守、営業などを請け負う。電力は顧客が自家消費し、ES社に料金を払う。1㌔㍗時9〜16円に設定し、市場の電力単価の変動の影響を受けにくい。契約期間は20年。高品質なパネルの採用で維持管理費を抑える。電気料金の高騰に加え、カーボンニュートラル対策に関心を持つ事業者が多く、トヨタ紡織(愛知)やTHK(東京)といった大手の採用も増えた。九州地方の引き合いが多く、年内に福岡県に営業所を開く。施工担当者と事務の2〜3人体制を予定。今期売上高は20億円を見込む。太陽光発電を活用し、低コストで水素をつくる「グリーン水素」事業にも取り組む。5月、山口県柳井市の自社施設に水電解装置を導入して実証を開始。25年末をめどに生成した水素の販売を始め、その後、プラントの設計・施工も事業化する。水素のエネルギー利用促進に向け2月に閣議決定された「水素社会推進法」を追い風に、水素事業を新たな柱に育てる方針。
担当記者:大島