産業廃棄物処理業の金本商会(安佐北区可部9-1-23、金本茂男社長)は2025年3月をめどに、同区大林町字台443の広島工場に新棟を完成させる。AI搭載の光学選別機など最新機材を導入し、がれきや木くず、ガラスくずといった廃棄物を従来よりも効率的に分別。近年注力するRPF(プラスチックなどが主原料の化石代替燃料)製造の能力を高め、現在から35%増の年約2万㌧とする。
敷地面積7250平方㍍。以前のRPF製造施設を今春に取り壊した跡地に1089平方㍍の平屋を建設し、隣接する既存施設と合わせ1972平方㍍の工場とする。投資額は7億2000万円超を見込む。工場内にはセンサーで廃棄物の素材を見分ける光学選別機に加え、比重選別機、自走型・据え置き型の破砕機、RPF成形機などを導入。現在は主に自動車部品製造業からの廃棄物を受け入れており、建設系の混合廃棄物の処理は難しかったが、新工場では対応できるようになる。工事中の期間の処理は、既存施設と山口市の事業所でカバーする。同社の年間RPF製造量は現在1万4220㌧で、新工場完成後は5000㌧近い上積みを計画。RPF生産増に伴うCO2 削減効果は年3794㌧と試算しており、スギの木およそ27万本の吸収量に相当するという。売上高は23年7月期の7億5000万円から、10億円規模への伸長を目指す。1982年に有限会社として創業し、2012年に株式会社化。22年12月には事務社屋を大林町の敷地内に建設。同社屋と既存工場、新工場の間には渡り廊下を設け、社員がスムーズに行き来できるよう工夫する。
担当記者:近藤