分電盤・遮断器など製造のテンパール工業(南区大州、水津卓也社長)は4月1日、IoTスマートホームアプリ開発などのリンクジャパン(東京)などと共同で、住宅全体の消費電力量が計測できるスマート分電盤を開発・発売した。スマートフォンアプリ上で家中の消費電力量や料金のチェックに加え、家電や住設機器の自動最適制御に対応。タワーマンションや戸建て注文住宅などを手掛ける法人を対象に、全国から受注を目指す。
国はホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)の普及拡大を掲げているが、HEMS対応分電盤は特別な工事や設定が必要な場合があり、電気工事業者の手間も多い。一方、スマート分電盤はテンパールの分電盤にリンクジャパンの「エネセンサー」を組み込み、中継機などは不要。通常の分電盤と同様の作業で設置でき、価格もHEMS対応分電盤に比べ約半分に抑えられるという。スマートホーム総合アプリ「HomeLink」上でリアルタイムに電力量や電気代を確認できるほか、家電製品の管理・操作にも対応。例えば、消費電力量によるエアコン設定温度の自動制御など、省エネに役立つ。太陽光パネルや蓄電池などと組み合わせた、エネルギーマネジメントにも対応。AIとIoTを使って創エネ・蓄エネ・省エネを一つのアプリで管理し、最適なエネルギー制御を実施する。両社は「一般的なHEMS対応住宅用分電盤から一歩先を行く、スマートホーム機能を持った分電盤を開発できたと自負している。省エネや節電意識の高まりに応え、ひいては化石燃料に依存しない社会の一助となる『住宅カーボンニュートラル』の実現を進めたい」とする。
担当記者:高見