書店経営の総商さとう(神石郡神石高原町油木乙1933、佐藤友則社長)は5月10日、新店舗「ほなび」を庄原市西本町2-12-10に開く。全国で書店のない市町村が3割に迫る中、書店を街づくりの核に据え、周辺の空き家を活用しながら地域のニーズに合った多業態の無人店舗の運営などで収益を確保。持続可能な経営基盤づくりを進める。書店はネット販売や紙離れなどが加速し減少傾向が続く一方、単純な販売の場にとどまらず、さまざまな書籍や情報との出合いの場として有益とされる。地域に本を根付かせる〝まちの本屋〟としてあり続けられるよう多彩な工夫を凝らす。JR備後庄原駅から車で4分の市街地で、庄原小学校や県立庄原実業高校そばに立地。コンビニの居抜き店舗約264平方㍍に出店し、閉店した同業他社の書棚を再利用するなどで初期費用を抑えた。4月27〜29日、書棚に本を並べる作業を業界関係者や地域住民など延べ120人が共同で行うイベントを全国で初めて実施予定。開店に携わることで愛着を持ち、街中を回遊する拠点として立ち寄ってもらい、他の店や施設にも足を運ぶ機会増につなげる。安定経営へ、周辺の空き家を活用した多角化も計画。第1弾として、麻雀貸し卓専門の無人店舗を開く。佐藤社長が雀荘に勤務した経験があることから、全自動卓のトラブルなどにも遠隔で応じる。1889年、よろず屋として創業。1998年に開いた2号店の「ウィー東城店」は本や化粧品、CD、文具に加え、顧客の要望に合わせて店舗の複合化を推進。コインランドリーや美容室、エステコーナーなども備え、黒字を続ける。2022年、佐藤社長の半生をつづった共著「本屋で待つ」を夏葉社から出版した。

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