高齢化に伴い家庭における不慮の事故防止が課題となる中、住宅設計コンサルのハプロット(廿日市市宮島口西、満元貴治社長)は3月23日、転落や転倒などの発生リスクを抑えたリノベーションモデルハウス「この素敵な五月に。」(施主施工・旭ホームズ)を佐伯区五月が丘4-39-2に開設した。満元社長が作業療法士の知見を生かして独自設定した基準「安全持続性能」に基づき、旭ホームズが手掛ける築37年の戸建て住宅改修プロジェクトを設計面でサポート。子どもから高齢者まで世代に関係なく安心・安全に住み続けられる空間を訴求する。

世代に関係なく安心・安全に住み続けられる空間を訴求

同基準は間取りを中心に全13項目、39点満点で構成され、28点以上に星三つ、14〜27点に星二つ、6〜13点に星一つを付与。例えばトイレの場合、引き戸で便器の向きが戸と並行、出入り口の幅が780㍉以上、室内の幅が1365㍉以上かつ全長1820㍉以上を満たすと最高の3点となる。同モデルハウスは星三つに該当。2階にあった風呂と洗面台を1階に移設して浴槽入り口の段差を解消したほか、急勾配だった階段に手すりとセンサー付き足元灯、すべり止めを設置。踏面の奥行きを19から25㌢に広げ、蹴上げ( 高さ) を23から20㌢に下げることで上り下りしやすい階段にした。ハプロットはすでに全国15道府県で23社の工務店・建材メーカーと安全性に優れた住宅設計に関する顧問契約を締結しており、今後も新たな顧問先を開拓する方針。昨年4月にスタートした同基準の適合評価サービス件数は全国で50棟を突破した。作業療法士として計11年間勤務した代表が2021年3月に創業。リハビリ医療の経験を基に、転倒や転落などによるけがの予防に焦点を当てた家づくりのアドバイスを事業の柱に据えている。「ヨシローの家」の活動名でユーチューブやエックスによる情報発信にも力を入れており、SNSの総フォロワー数は1万7000人に上る。

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