第三の和酒「浄酎」を製造販売するナオライ(呉市豊町久比3960番三角島)は、日本航空(JAL)広島支店、地域活性化コンサルティングのスローイノベーション(京都市)と連携し、琥珀浄酎と原料のオーガニックレモンを生産体験する呉市・三角島の1泊2日のモニターツアーを行った。計9人が参加し、オーガニックレモンの栽培体験や浄酎の副産物を生かした酒粕鍋などを楽しんだ。三角島の五心庵の改修などを進め、ナオライの浄酎を購入したファンを中心に、満月時の通年開催を計画している。「生産者になる旅。三角島のレモン畑で満月の夜に乾杯」をテーマに3社で連携し、2023年8月31日〜9月1日と11月27〜28日にモニターツアーを実施。三角島は593年の宮島・厳島神社建立時に主祭神として勧請された宗像三女神の仮宮が建立された島で、航海・交通安全を祈願する神様に思いをはせながら、これから歩みたい「道」に向き合える旅を演出し、三角島の歴史や文化を学んでもらう。満月下の美しい自然の中での語らいでモノや情報にあふれた日常を見直し断捨離する機会を提供する。呉市観光コンテンツ創出事業補助金に採択された。ツアーでは、全国でも少ないオーガニックレモン畑で収穫や施肥などの栽培技術を学び、浄溜所の蔵人と交流。食事、宿泊は三角島の五心庵で行い、同所で満月を見ながら浄酎を飲んだ。ゲストとして、岡山県玉野市で移動式数寄屋建築のギャラリーバーを運営する「Kagiyama gallery bar」らを招いた。24年1〜2月にJALの国内キャビンアテンダント374人にメールでアンケート調査を行い、観光コンテンツの磨き上げを行った。アンケート結果では、モニターツアーは100点以上が16%、80点以上が65.8%だった。「旅先の酒や食材の選択はストーリーを重視する」が79.4%を占め、8割が「隠れた名所に行ってみたい」と回答。83%が「行きたい場所にはレンタカーを利用したい」と答えた。ナオライは「移動式バーの誘致、音楽イベントなど地元の人との交流の場の創出、ツアーガイドの育成などにも取り組みたい」としている。