広島ベンチャーキャピタル(=広島VC、中区銀山町3-1、岩本宏社長)は3月11日、サブスク型防災備蓄サービスのLaspy(ラスピー、東京都千代田区有楽町、薮原拓人社長)に出資した。ひろぎんグループ各社を通じて企業、病院、ビル・マンションディベロッパー等へ同社サービスの導入支援を行う。1月にはスマートロッカー開発のスペースアール(東京都中央区京橋、田中章仁社長)、個室ジムのハコジム(南区松原町10-22 、永田秀晶社長)にも出資。2023年度はVRゲーム開発のGino(ジノ、東広島市鏡山2-313、北尾共社長)などにも資金供給しており、出資先は23年度末で計76社になる。ラスピーは21年2月設立。3日分の食料や水、簡易トイレ、毛布などの防災備蓄品を保管・管理・提供する新しい形のサブスク型防災備蓄サービス「あんしんストック」を提供。備蓄品は入れ替え時に寄付する。首都圏を中心とした大都市部で事業を行ってきたが、広島県を含む広域での事業展開を予定。広島VCは「能登半島地震を受け全国的に引き合いが増えており、広島を中心とする地域への災害対策、事業継続性向上に連携して積極的に取り組みたい」とする。スペースアールは「送る・受け取る・予約する」を一つのロッカーで可能にする「マルチコンテンツスマートロッカー」を開発・販売している。広島県内でも尾道駅構内や瀬戸田町に設置したほか、広島駅構内や宮島口駅構内にも新設予定。鉄道事業者と連携し、全国の駅や商業施設へ設置拡大を見込む。EC等で購入した商品をロッカーで受け取るBOPISサービスなどを拡大する予定。広島VCは「新たなロッカー設置へ向け、県内の交通事業者の紹介などを行い、広島市や宮島でロッカー内の荷物をホテルや旅館に届ける事業も支援したい」と話している。ハコジムは広島VCとNCBベンチャーキャピタル(福岡市)によるJ-KISS型新株予約権を活用して資金調達を行った。ハコジムは24時間365日営業の無人個室ジムを、西日本を中心に22店舗展開。自社開発のスマートミラーでバーチャルトレーナーの指導受講ができるほか、AIによる次回メニューの最適化サービスもある。21年12月にFC加盟店募集を始め、店舗運営や集客を本部が代行し大阪などを中心に全国展開を図る。今後3年で累計100店舗を目指しており、広島VCは直営・FC店の展開サポートや組織体制構築を支援する。Ginoは、広島大学の学生が中心になり設立。第一作のゲーム開発資金として出資した。広島VCはリードVCとして、資金繰りなどの各種サポートを行う。