県立叡啓大学(中区幟町、有信睦弘学長)は3月27日、企業と大学が連携して新たなビジネス創出を目指す「共創プロジェクト」の初年度成果報告会を開いた。経営者と教員の継続的な対話によって、これまで見えていなかった課題を特定し、経営者が次の一歩を踏み出しやすい状況をつくる目的で実施。第一部で同趣旨を説明し、参画企業2社と担当教員がパネルディスカッション。第二部は、企業と学生がチームを編成して共同で課題解決に取り組む「学生協働プロジェクト」での成果を発表した。学生協働プロジェクトには、ツネイシホールディングスなど企業4社と学生14人が参加。プロジェクトごとにチームを組み、2月1日からの期間中に毎週8時間ほど活動した。参加企業とプロジェクト内容は以下の通り。ツネイシホールディングス(福山市)=新規事業創造をリードできる人材の新卒採用促進。各種ケータリングサービスや飲食店運営などのイベントス(中区)=〝地産地活〟を促進するテイクアウトおむすび専門店の立ち上げ支援。桑原組などを傘下に持つテラスホールディングス(西区)=新規オープンのフードホール内のカフェ利用向上。食品卸などの広川(西区)=新設を計画している、防災がテーマのアミューズメントパークのプロモーション・マーケティング施策。テラスHDのプロジェクトでは、カフェタイム(午後2〜5時)の集客向上に学生が知恵を絞った。20代女性をターゲットに設定し、リピートしてもらうための施策や、新規顧客を呼び込むための発信力強化に取り組んだ。グーグルマップでカフェ検索したときに同店舗が表示されるよう設定変更したほか、看板やメニューのデザイン刷新、新たなデザート商品の企画(春以降に期間限定で販売予定)、若い世代向けのインスタグラム投稿(従来のものからテイストを変更)などで、同時間帯の集客が約2倍に伸びたという。プロジェクト終了後も効果的なSNS投稿が継続できるよう、社員向けマニュアル(全30㌻)も制作した。学生にいっそう実践的な学習機会を提供するとともに、企業に新たな視点や気付きを与える機会になった。