県のインフラ関連のオープンデータサイト「DoboX(ドボックス)」が月間15万ダウンロードを超え、利用が進んでいる。公共土木施設などの関連情報を一元化し、そのデータをオープンにすることで民間利用を促進。2月には歴史的な建造物などをまとめたインフラツーリズムマップと、不動産契約情報提供マップを公開し、サイト内データの拡充を図った。同サイトには国や市町を含む膨大な防災関連情報を集約。県が管理する各システムと連携し、災害リスク情報や避難関連情報、3次元の地形データ、3D都市モデルなど100種類以上、約500データセットを用意。従来は行政内部で保管していたデータをオープンデータとして2022年6月から公開しており、無料でダウンロードできる。データの利活用に向けて、県土木建築局ではこれまで地域住民や学生、地元企業を対象にドボックスを活用するイベントなどを開催。広島大学・広島工業大学・近畿大学の学生らは安芸高田市全域のコミュニティバス情報を経路検索サービスに活用できるデータを作成。このほか、熊平製作所のプロジェクトチームは、地域防災の担い手である自主防災組織の活動を支援するアプリケーションの開発に取り組んだ。こうしたデータやアプリの作成に連動する形でダウンロード数は右肩上がりで推移し、累計116万件(24年2月末時点)となった。県担当者は「さまざまなデータの集約・提供により、低コストで質の高いサービスが実現できる。多くの人に活用してもらい、安心・安全な社会を実現するサービスや便利なツールの開発が進んでほしい」とする。3月6日開催のデジタル技術を活用した地域課題解決に取り組む企業や自治体を表彰する「デジ田甲子園2023」(内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局主催)では本選に出場し、地方公共団体部門で7位となった。