給水タンクの企画・販売を手掛けるQAMAR(呉市清水1-8-6、二矢川京子社長)は、主力商品「マルチウォータータンク」を災害時の非常用として企業向けに訴求する。企業、ホテルの備蓄用に加え、分譲マンションの契約時の特典などを想定。今後は浄水機能やシャワーヘッドなどのオプション品を用意し、生活用から飲料水までさまざまな用途への対応を目指す。防災用の専用リーフレットを今冬に作成。ウォータータンクとしての活用ほか、広口なため大人2人2日分の非常食といった防災関連品を収納できる点などを訴求する。能登半島地震の断水戸数は約6万8000戸だった。これを受けて同社が給水タンクをOEM供給する大手小売店では、1週間に2000個を販売。キャンパーなどの個人向けから法人需要の掘り起こしを図ることで、さらなる販路拡大を狙う。同商品は二矢川社長が「おしゃれで機能的なポリタンク」が市場に見当たらなかったことから、22年に発売。正式販売前のクラウドファンディングでは2カ月で1530個を売り上げ、22年度のグッドデザイン賞を受けた。多角形のため、受水や給水、洗浄など、用途に応じて回転させて使える。一般のポリタンク(18㍑)よりもコンパクト(13㍑)で、持ち運びやすいほか、横置きで凹凸の溝がぴったりとはまり積み重ねやすい。第18回「ひろしまグッドデザイン賞」でプロダクト部門のグランプリほか、第7回の中国地方女性ビジネスプランコンテスト「SOERU」で優秀賞を受けた。