中国電力グループで建築物の設計・工事などを手掛ける中電工業(南区出汐2-3-24、石井浩一社長)は、オフィスリニューアル事業へ本格的に乗り出す。これに先立ち、自社オフィスを2023年末にリノベーション。見学可能なライブオフィスとして活用し、各企業の実情に合わせ、社員が〝いきいき・わくわく〟と働ける空間づくりに役立ててもらう。
業務内容や気分によって働く場所や時間を自由に選択するアクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)を空間コンセプトに据えた。例えば、図面検討ブースや1カ月連続で使用できる予約制集中ブース、アイデアに煮つまった際にデザイナーズチェアで一息つけるカフェブースなど、1日の過ごし方のイメージを基に20種類以上の執務バリエーションを用意。マルニ木工(佐伯区)の家具シリーズ「HIROSHIMA」ほか、20メーカー以上の什器を入れ、什器メーカーとの差別化を図った。ストレス軽減につながるという植栽も多く採り入れ、生産性や創造性の向上に加え心身の健康にも配慮。濃い木目のデスクなど落ち着いた色味で統一した一方、卓球台にもなるミーティングテーブルや階段状のベンチなど遊び心のある什器を採り入れて企業理念の「信頼・安心」や「挑戦し、変革し続ける」を表現した。パナソニックが主催する23年度リニューアル大賞に入賞。オフィスリニューアル提案時には、各社社員の〝理想の働く姿〟を重視したオフィス環境の実現に力を入れる。質の高い人材採用と社外へのPR強化へ、21年から「中電工業 わくわく大作戦」を開始。オリジナルキャラクターほか、協力会社「電栄会」を武将で表現したホームページなどを作成した。社員の様子などをポップに表現したリクルート用パンフレットなども用意。全国で初めてとなるドローンを使った鉄塔塗装資材の運搬や、学生との協働による賃貸マンションの改装など、新たな事業創造にも力を入れる。23年3月期の売上高は62億7600万円。