保育サービス事業を全国展開するアイグランホールディングス(西区庚午中、重道泰造会長兼社長)は2023年12月期決算で前期比7.8%増の売上高213億円を計上した。待機児童は徐々に解消されているが、01年に保育サービスに参入以来、安定的な運営実績が評価されて公設民営化の分野で受注を伸長。新たに始めた児童発達支援事業も支持を広げている。

スケールメリットを生かしながら〝選ばれる保育園〟事業を徹底し、初めて大台の売り上げ200億円を突破。3月現在、0〜5歳の未就学児1万2000人を預かり、保育士は約5000人が働く。認可は4月以降の開園予定14園含む110(うち広島20)、病院内主力の事業所内は予定6園含む307(同59)に上る。自社従業員向けの企業主導型直営保育35園などを合わせて北海道〜沖縄に約500園を受託。民間ならではの発想とスケールメリット、スピード感で運営展開。音楽によるリトミックなど情操教育に力を入れるほか、コストがかさみ手間もかかるが食事は各園エリアの地域性に任せ、現地調達の食材や天然だしを使い、行事や郷土食などを取り入れる。保育士の負担を軽減し、子どもの見守りをIoT化するなど安全や信頼への投資も積極的に進める。保育士の採用・定着を促す体制を整えるとともに出生率向上に役立つ運営を意識し、細かな工夫を凝らす。運営受託のうち、FC方式で21年春から全国展開に乗り出した児童発達支援施設は16都府県27カ所を数える。発達障害児への理解が進み早期診断の加速を受け、増加傾向にある。昨年7月には、新たに独自の多機能型タイプを西区庚午北に開設。運営ノウハウを生かして同タイプの事業所を増やしていく構えだ。福利厚生の一環で受託園の集積地にFCで運営する24時間フィットネスジム「エニタイムフィットネス」は15年に都内へ初出店以来、30店(うち都内10)に拡大。設備や接遇を独自でブラッシュアップし、全国1100店以上のうち会員数上位1、2位は新宿区にある落合店と武蔵野市の吉祥寺店で同社が占める。平均会員数も1000人以上とトップを走り、引き続き出店を加速する。今期は売り上げ222億円を計画。

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