ふりかけ製造などの三島食品(中区南吉島、末貞操社長)は、主力の「ゆかり」を〝脇役〟にすることで取引先商品の販売力を引き上げる成長戦略が奏功し、2023年12月期で前期比8.9%増の売上高139億9900万円を計上。過去最高となった。コロナ禍から一転し業務用が回復したほか、ゆかりの姉妹品ラインアップ効果などが貢献。引き続き脇役戦略を推し進め、今期も増収を見込む。

当期から値引きやリベートを差し引いた純売上に変更(前期比は基準を合わせて算出)。ホテルや外食向けの回復に加え、期中に広島菜と紅サケの「鮭ひろし」を新規投入。姉妹品7種に増やし、シナジー効果を高めた。SNSなどでネーミングが話題になり、販促に一役買った。新たに脇役戦略を実践する「メイン食材販売支援プログラム」をスーパーや量販店向けに始めた。青果や鮮魚、精肉などの食材と合わせたレシピ提案や大型ポスター、POP、マネキンなどを使って売り場を活性化する演出ツールを無償で貸し出す。静岡県内地場スーパーで同プログラムを導入した店舗では一気に売り上げが3.5倍に増え、現在も好調が続くという。米消費は減少傾向をたどるが、ゆかりを調味料として使う需要を掘り起こし、ふりかけ全体の売り上げを底上げした。食材の販売促進だけでなく、ゆかりとコラボするメーカー商品なども増え、採用先が拡大。大手メーカーや外食産業向け大手卸とも組むなど取引先の支持を広げている。従来の売上比は業務用6、市販用4だったが、コロナ禍で55対45と拮抗。今年は1月にわさびの辛味がきく「しげき」を発売し、市販用が50%以上に伸長。中国や米国、タイの関連会社分(海外事業部売り上げ)を合わせたグループ売上高200億円を突破した。海外でも日本製ふりかけの人気は高く、現地の食ブームに合わせた商品供給が当たり、特に米国が順調に伸びているという。

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