自社の取引方針を明文化する「パートナーシップ構築宣言」の県内登録企業数は2023年末時点で、中四国で唯一1000社を超えた。県はさらなる周知へ向け3月14日、価格転嫁に役立つ情報や県内企業の好事例を紹介するセミナーを開催。原材料などの物価高騰が続く中、適正取引を推進し賃金と物価の好循環を後押しする。取引先との共存共栄を目指す同宣言は20年5月に国主導で創設し、全国で4万社以上が登録。一方で県のアンケートによると、同宣言の認知度は県内企業の半数以下という。また、23年9月に中小企業庁が実施した調査では、上昇したコストを全て価格に反映できた企業は2割程度だった。この宣言制度は円滑な価格転嫁に向け、下請中小企業振興法に基づく「振興基準」の順守に加え、宣言企業独自の取り組みをまとめてポータルサイト(https://www.biz-partnership.jp/)に掲載し、見える化。登録企業は「ものづくり補助金」をはじめ、国や県などが実施する補助金などで加点を受けられる。価格交渉促進月間にあたる3月14日午後1時半から「経営者必見!適正取引のルール解説と事例紹介セミナー」をオンラインで開く。弁護士法人大江橋法律事務所の菅野みずき弁護士が価格転嫁に関する下請法規制の最新動向について、事例を交えて解説。国の担当者が23年11月に策定された「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」についての対応なども話す。第2部では、協力業者と経営に関する勉強会などを行うマエダハウジングの前田政登己社長と、取引先も含めた建設従業者の地位向上に向けて取り組む山陽工業の鈴江克彦社長が登壇する。