広島市は4月1日、市公文書館(中区大手町4-1-1)内に「広島市写真資料保存センター」を開設する。来年に被爆80周年を迎え戦前の広島を伝える人が減り、写真資料の重要性が高まっている中、市民や地元企業に呼び掛け、戦前を中心にした広島の街並みや伝統行事などの写真を収集。デジタル化やデータべ-ス化を行い、ウェブなどで発信する方針。開設記念の写真展も計画している。大手町平和ビル6〜8階にある市公文書館の6階のフィルム保管室を写真資料保存室に、8階の撮影機材室をデジタル化作業やメールなどの問い合わせ対応スペースにする。市公文書館は所蔵写真資料もデジタル化、データベース化し写真原本保護と利活用促進を図る。ネットでの発信のほか、地域の歴史サークル、歴史研究家、公民館、語り部伝承事業、学校での授業、修学旅行の事前学習などでの利用を見込む。市公文書館は2024年2月時点で、約4万3000点の写真資料(写真・絵はがき・航空写真)をデジタルアーカイブス・システムで公開し、そのうち地元の写真家・故明田弘司氏の寄託写真が7676点となっている。22年3月に広告代理店のみづま工房から写真の寄託を受け、戦後から昭和30年代までの広島の街並みなどをテーマにした写真展を3月に同館で行う予定。23年12月に写真家の故松本若次氏の写真の寄託も受け、選別・整理を進めている。昨年5月のG7広島サミットでは、関連企画展「平和記念都市広島誕生」を市まちづくり市民交流プラザ、市立中央図書館、市公文書館Web展示会で行い、計102点を展示した。