中古車オークションで県内最大手のトヨタ・オート・オークション広島会場(TAA広島、東広島市河内臨空団地)は、2023年の出品台数と成約台数が07年の開設から過去最多となった。昨春以降の各メーカーの増産によって新車販売が伸びたことに伴い、下取りされる中古車の流通量が増えた。ロシアへの輸出禁止措置(電動車や1900cc超が対象)をものともしない根強い需要があり、24年も堅調に推移しそうだ。23年の出品台数は前年比25%増の8万3334台で、成約は20%増の6万4136台。同年の世界販売台数が過去最高だったトヨタなどの増販に伴い、下取りで中古の出品が大きく増えた。これによって平均成約率は80%を割ったが、76.96%と高い水準にある。オークション各回の平均成約単価は60 〜70万円が多く、相場に高止まり感が見られる。海外で日本の中古車の人気は高く、成約台数のうち5〜6割が輸出される。ロシアへの禁輸措置が続くものの、ニュージーランドや東南アジア、ドバイ(アラブ首長国連邦)への輸出が盛んで、全般に堅調推移している。今年のオークションは2月20日までに7回実施済み。ダイハツの認証不正問題で新車販売時の下取りがなくなり、中古の軽自動車の総出品数は3分の2程度になった。一方、全体の出品台数は1万1578台で、成約9466台、成約率81.76%と勢いが衰えない。小川慎一郎会場長は「コロナ禍では在庫に不安を抱かせてしまったが、今春の新生活需要を見越してディーラーの品ぞろえも充実していると感じる。流通を活発化させるために今後も出品を働き掛ける。他のTAAの状況も良く、通年で23年と同程度の出品、成約台数を見込んでいる」と話した。利便性向上へ、車両の状態票をバーコードリーダーでスマホに表示するペーパーレスの仕組みを導入。マツダ、日野自動車、スバルの専用コーナーにも引き続き力を入れる。