基町の再開発ビルに補助支出

横田知事の4年の任期中に、広島市中心部で複数の再開発計画が佳境に入る。特に注目されるのが中区の旧市営基町駐車場一帯の「基町相生通地区市街地再開発事業」だ。県や市、広島商工会議所が推進し、都市再生機構(UR)が代表施工者を担う共同事業体が手掛ける「都心部のリーディング・プロジェクト」で、大きなにぎわい創出が期待される。
新設するのは地下1階・地上31階建ての高層棟「カミハチクロス」、変電所棟、市営駐輪場棟の計3棟で総事業費は576億7800万円。うち国と県、市合わせて補助金202億3000万円を支出し、高層棟の竣工は2027年4月を予定する。
同ビルの最上部に当たる21~31階には、米ハイアット系の高級ホテル「アンダーズ広島」がオープンする。ハイアットは中国地方初進出で、アンダーズブランドは東京に次ぐ全国2拠点目。全235室で、ルーフトップバーやレストラン、宴会場、フィットネスセンターなどを備え、海外富裕層の取り込みを狙う。
別のフロアには米国発のシェアオフィス「ウィーワーク」も中四国地方で初めて拠点を開く。同日本法人は昨年12月、同オフィスを活用した創業支援や企業誘致の推進に関する協定を市と締結。地場企業やスタートアップ、教育機関、行政、市民が交わる「共創の場」を目指している。このほか、広島商議所やオフィス、店舗などが入る計画だ。
広島駅~空港のアクセス強化

「交通の大動脈」の整備も進む。県と市が出資する広島高速道路公社が建設中の広島高速5号(東部線)は、高速1号(安芸府中道路)を介して山陽自動車道の広島東ICと直結し、広島駅北口~空港のアクセス強化や渋滞緩和を図る。
全長約4㌔のうち、牛田東地区の住宅地の真下を通る「二葉山トンネル」(約1・8㌔)の掘削作業を昨年4月末に完了した。18年に始まった掘削工事は、大型掘削機の破損や地表面の隆起などのトラブルが続発。当初の22年度中の完成予定から大きくずれ込んだものの、27年度上期に開通する見通しとなった。現在はトンネル内の設備工事や、5号線と2号線(府中仁保道路)を結ぶ橋架工事などを進めている。
5号線の完成によって、都心部~高速道路網の所要時間の短縮や定時性確保、温品・中山地区周辺の混雑緩和、事故リスク低減などが期待できるとしている。
防災にも注力
太田川のデルタ上に形成された中心市街地は高潮の被害を受けやすく、県は「京橋川・猿猴川高潮対策事業」を展開。1970~2044年度(予定)の長期計画で高潮堤防・護岸の築造や耐震化に取り組む。