巻頭特集 2026年1月5日

転出超過対策 「採用力」の底上げへ支援拡大 接点づくり、情報開示を促進

総務省の調査によると、広島県は転出者が転入者を上回る「転出超過」で全国最多という大きな課題に直面する。人口減少、特に若年層の県外流出は労働力不足に直結し、人材確保は経営の主要課題の一つとなっている。県は本年度、若者減少対策に計98億5000万円を計上。企業の採用力向上や学生との接点づくりなどを後押ししている。

リアルな接点をつくる

学生が就職先探しに使うインターネット上には情報があふれ、知名度の低い地方の中小企業の差別化は容易ではない。そこで県はインターンシップへの誘導を軸に「リアルな接点づくり」を強化。9月から年度末にかけて、企業探検バスツアー、就活カフェ、UIターンセミナー、学生と就活サポーターとの交流会などを矢継ぎ早に実施している。

積極的な情報開示を

首都圏の大企業が県内大学に出向くなど、人材獲得競争は地域を超えて激化している。県は各社の採用力の底上げを狙い、本年度にインターンシッププログラムや内定者フォロー企画の作成などに使えるハンズオン支援補助金を新設。また選ばれる企業になるための奨学金返済支援では、補助率の引き上げと補助上限の撤廃で、支援要件を拡充した。

さらに、人的資本経営に関する情報開示の推進にも注力する。大手に比べて中小は開示で大きく遅れを取る。企業側の覚悟は必要だが、イメージ向上やミスマッチの防止など、さまざまな効果がある。県は専門的な知識がなくても作業を進められる「開示ツール」を24年に公開。昨年11月末時点で累計41社(内部開示5社含む)が開示し、来年度末までに200社への拡大を目指す。 

雇用労働担当部長の藤井睦美さんは「さまざまな施策に意欲的に参画する〝先頭集団〟の企業ほど、人材獲得に成果を上げている」と話す。最終的には個社の自助努力による採用力向上が不可欠だ。

学校と企業つなぐサイト

12月4日、学校と企業が連携した体験活動を充実させる狙いで、サイト「ミツカル!ひろしまカンパニー」を県教育委員会が開設した。キャリア教育は各校で展開されている一方、連携企業や体験機会の固定化が課題になっていた。サイトには県内235社が登録(12月18日時点)。所在地、事業内容、学校と連携できる項目などを載せ、教員が企業に直接依頼する形でマッチングを進める。

企業は職業体験、インターンシップ、共同研究などに協力することで、社会貢献や認知度・イメージの向上を図る狙いがある。若年層に早期から地元企業のことを伝え、長期的な県外流出の抑制にもつなげる。担当者は「地元企業との結び付きはキャリア教育において重要だ。多くの企業に登録してほしい」と話した。

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