物流は協調
物流2024年問題を念頭に食品スーパーのフジ、イズミ、ハローズの呼びかけで発足した中四国物流研究会が4月から3年目に入る。フジの松浦振一郎物流運営部長は、
「当初はライバル企業が腹を割って話せるのかと半信半疑だった。しかし、配送センターの相互見学や可能な範囲での情報開示を通じて信頼関係を構築できた。各社の強い危機感も後押しとなり『物流は協調領域』との共通認識が生まれた」
参加団体は広がり、小売り15社、物流3社、行政5局に。店舗が近い企業間で配送をまとめるなど協業の取り組みが実装に乗り出した。本年度は走行距離10万キロ以上の削減効果を見込む。各社のシステムや運送会社、契約体系は異なるため、曜日だけ決めて細部はメールや電話で調整するなど、柔軟な運用で実現した。
今後は配送協業のメリットを得られにくい地域ドミナント企業をどう巻き込んでいくかが焦点。災害時の連携を探るほか、メーカーへの納品時間変更の働きかけなどを進める。
2030年に荷物の3分の1が運べなくなるとの試算もある。業種や企業規模を超え、持続可能な物流の在り方を模索する。
現場を止めない
ハイブリッドやEVの普及でバッテリー市場が急拡大。大幅な増産に伴い、現場では安全性と歩留まりを同時に高める工夫が欠かせないという。
環境調査・分析や工業計測、非破壊検査装置製造の中外テクノス(西区横川新町)は、高輝度X線発生装置を製造するスウェーデンのエキシルム社と戦略的パートナーシップを結んだ。
日本で初めて同社の装置「メタルジェットF」を使う評価テスト環境を築き、7月をめどにデモンストレーションを始める。バッテリーや電子部品、自動車部品、精密機器など幅広く対応する。福馬聡之社長は、
「互いの強みを組み合わせ、生産ラインを止めることなく、製品内部を3Dと2Dで高速に観察する。生産現場の課題解決に貢献できると確信している」
エキシルム社のリンドブロムCEOは、
「バッテリー向けの高速3DCT(コンピュータ断層撮影)は既に実用化されている。日本の厳しい検査要求に応えてきた中外テクノスと協力し、サービスを提供できることが誇らしい」
ラグビーの出番
ジャパンラグビーリーグワン3部のマツダ実業団チーム「スカイアクティブズ広島」は3月7日、ホームのバルコムBMWスタジアム(西区)で首位攻防戦に競り勝ち、2部への入れ替え戦参加を決めた。
観衆は2300人。中高生や子どもの姿が多く見られたが、県内の学校でラグビー部があるのは中学1、高校9校にとどまる。広島の復興期に市民がカープを支え、市民はカープに元気をもらった。さらにサンフレッチェやドラフラもリーグ優勝を果たし、強くなるに連れて人気も高まってきた。
ラグビーワールドカップを機に日本でも人気が定着し始めているが、プロスポーツの盛んな広島でどう盛り上げていくのか。筋骨隆々の選手らが自ら通学路に立ち、児童の安全を見届けている。事業統括ディレクターの飯面博之さんは、
「ケガが多いスポーツで選手はみんな満身創痍(そうい)だが、日頃の交通安全啓発や試合後のラグビー教室など、子どもとの日常的な接点づくりに選手も積極的です。競技の面白さだけでなく、地域との関わり方を模索しながら集客につなげていく運営に力を入れている」
何よりも強くなること。選手らの活躍が市民に感動と勇気を与えるチームに育てていきたいと話す。
4月4日には中国電力レッドレグリオンズと今季最後の広島ダービーがある。両社で協力し、6000人の集客を目指す。
園児のスポーツ教室
保育サービスを全国展開するアイグランホールディングス(西区庚午中)は3月11日、広島経済大野球部の協力を得て野球教室を開いた。部員と園児それぞれ約100人が参加。一対一でティーバッティングやキャッチボールを体験した。
きっかけは体育会系出身者を対象とする総合職の採用活動の中で、同社から野球教室を提案した。総合職に携わる人材採用にあたり、自ら面接に臨む重道泰造会長は、
「フレッシュな現役選手のパフォーマンスに触れることができ、園児にとって素晴らしい思い出になった。選手らは園児に視線を合わせて指導し、なかなか体験できない機会になったと思います。みんなでわっと触れ合えるスポーツの魅力は何事にも代え難い」
広島大サッカー部や九州産業大ラグビー部とも提携。20~30人規模でスポーツ教室を設けた。0~5歳の未就学児は全国472万人(昨年4月)。同社は約1万2000人の園児を預かり、400人に一人という計算になる。日本の将来を託す責任は重い。
廃食油を無駄なく
JALグループは2030年度のCO2排出量を19年度比10%削減する中間目標を掲げる。軽油をバイオディーゼル燃料「B100」に置き換えて走る作業車両の運用などに取り組んできた。燃料節約の効果も大きい。
広島空港でも3月13日から作業車両2台に同燃料を活用。中国地方の空港では出雲に続き2例目という。原料は県内の家庭から集めた使用済み油などで、植田油脂(大阪)が回収・精製し、通常のバイオ燃料よりも高純度に仕上げて作業車に注ぎ込む。燃料は毎月計150㍑利用、年間4・7㌧のCO2削減効果が見込まれる。
「車両にステッカーを貼るなど視覚的にも訴求し、廃食油回収への機運醸成につなげたい」(広報担当)
80周年記念誌
広島信用金庫は「80周年記念誌」2500冊を編纂し、職員やOB、業界団体などに配った。
A4版112ページ。海田・安芸中野支店の「西国街道『御宿場印』スタートアッププロジェクト」など、店舗別の「地域感謝プロジェクト」や「フラワーフェスティバル出展」、「カープスポンサードゲーム」といった記念行事を掲載。1945~2015年のあゆみのほか、最近の16~25年度は詳しく振り返った。「新営業支援システム(スマホ)導入」(16年)、「西日本豪雨発生」(18年)、「ひろしんアプリ開始」(19年)、「新型コロナ感染拡大」(20年)、「G7広島サミット」(23年)などのトピックスが並ぶ。
「川上武理事長と6人の中堅職員との座談会も行い、支店の感謝プロジェクトや未来のひろしんについて大いに議論。足跡を次世代につなげたい」
広都大に新コース
広島都市学園大学(南区)は4月、安佐南区西風新都キャンパスにある健康科学部リハビリテーション学科理学療法学専攻内に新しく「スポーツリハビリテーションコース」を開講する。
理学療法士は病院勤めの印象が強いが、近年はスポーツ分野でも活躍の場を広げる。古澤宰治学長は、
「ワールド・ベースボール・クラシックで活躍する大谷翔平選手は専属で複数人の理学療法士をつけ、二刀流復活を支えてもらったと聞く。スポーツリハビリテーションの価値は一層高まってくる」
身体機能を熟知する立場として動作分析を行い、アスリートのけが予防やパフォーマンス向上を担う。同専攻は定員55人。2年次へ進級する際、本人の希望と学業成績を考慮して新コースへ進み、理学療法士と日本トレーニング指導者協会認定のトレーニング指導者とのダブルライセンス取得を目指す。講師陣はスポーツリハビリテーション専門の上川紀道准教授ら。同療法士養成に向けたカリキュラムのほか、スポーツ心理学や運動生理学、トレーニング理論や演習、アスリートサポート理論と新たにスポーツ系5科目で構成。
「理学療法士としての知見とスポーツ現場での豊富な実践経験を融合させた教育により、病院のみならず、多くの分野で活躍できる人材育成に貢献したい」