地域経済 2026.03.05

瀬戸内ミライデザイン 広島仏壇の技術使うバッグ 本体に着物帯、外国市場にらむ   

 着物など古物を日用品へアップサイクルする瀬戸内ミライデザイン(西区、野田夏梨社長)は3月5日、広島仏壇の技術を生かす「MIKOSHI Series ハンドバッグ」を発売した。持ち手の加工は1890年創業の吉田仏壇金具製作所(安佐南区、吉田州伸社長)に依頼。自社ECサイトで限定販売する。和文化の海外人気を受け、東京や米国へ販売直営店の進出も狙う。

 自社ファッションブランドRe:ADY B(レディビー)の新ラインアップ。持ち手は仏壇の引き出しなどにつける「錺(かざり)金具」の技術で加工。真鍮(しんちゅう)板に当てた鏨(たがね)という道具を金づちで打ち、唐草模様を描く。広島仏壇業界で最後の手彫り職人でもある吉田社長は、「機械なら量産できるが画一的。手作りの小さな歪みが飽きない魅力を生む。技術を残すには新しいものを作ることも大切」と話す。真鍮の端材を使いピアスなどを作成するワークショップにも取り組んでいるという。

 生地は着物店といった取引先で不要在庫だった西陣織など良質なブランド帯を購入。厚い帯と重い金具を接合する縫製は、革細工の技術を応用できる就労継続支援B型作業所やっさ工房にしまち(三原市)に委託。B型作業所の全国平均工賃は時給換算で約243円(2022年度)だが、作業の難度や付加価値を上乗せした時給1000円程度を支払う。

 MIKOSHI Seriesの開発は昨年9月、市産業振興センターの新規ビジネス事業化支援事業に採択された。価格は28万円~。今年は30個を生産予定。野田社長は「仏壇からは弔事を連想する人が多いが、本来は神聖なもの。広島の伝統技術の承継につながり、作り手が障害を理由に買いたたかれることのないようにしていけたら。着物の廃棄も減らしたい」と話した。

 18年設立。これまでも着物の切れ端を使ったアクセサリーなどを発売してきた。直営店の進出時期は未定だが、展示会などを通じて市場調査を進めている。着物は海外で人気だが外国人が自力で着るのは難しい。鞄などの日用品は手軽に使いやすいため、東京では訪日客、米国ロサンゼルスではエシカル消費への関心が高い富裕層を狙いたいとする。

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