サンポールホールディングス / 山根 令 社長
昨年8月にM&Aを実行しました。
子会社にしたタカノエンジニアリングは、貯水タンクのステンレス製のらせん階段や転落防止柵、点検用開口ハッチ、内部はしごといった大型の付帯金物などの製作から設置まで手掛ける。そのほか既製品にない金属加工を得意とする。後継者が不在で承継の話をもらった。最終判断にあたっては人や組織への理解が欠かせないと考え、適切な段階で機会を設け、6人の社員全員と面談した。私自身も当初、本当に面倒をみられるのかと迷いもあったが、経営者の人柄、社員を大切にする文化などを感じ、この会社なら一緒に歩めると思えた。
同社は当社と異なる製品を作り、独自の加工技術もある。技術面の連携を少しずつ始めており、今後は人材面の交流も進める。サンポールの取締役が社長となったが、統合後すぐに大きく変えることはしない。時間をかけて互いの強みを理解し、少しずつシナジーを形にしていきたい。
案件があれば今後もM&Aを検討する。ただし人材の課題もあり、やみくもに増やすつもりはなく、持続可能な形でグループを育てていく。
新製品として、昨年10月に屋外用の手すりを発売しました。
毎年5品の新製品発売を目標に開発を進めている。その中でも、屋外用手すりは新たな分野への挑戦だ。現場ごとの寸法や角度・太さ・材質などの設計が必要で、社内では製品化に慎重な声もあった。それでも主力製品と販売先が重なる部分もあり、丁寧に提案すれば価値は伝わると考えた。営業部門を中心に全社で取り組み、初年度の売り上げ目標は既に達成できた。
当社には創業以来、「小さなマーケットでナンバーワンになる」というモノづくりの指針がある。実際、旗ポールや車止めはその考えの下、市場で独自の地位を築いてきた。参入した屋外手すりの業界は既に大手競合のいるレッドオーシャンだが、トップになれる用途や分野を絞り込み、当社の強みが生きる領域を探っていく。私の代で三つ目の柱を確立させたい。
今期の業績の見込みは。
サンポール単体で、前期に過去最高となった売上高56億円を上回る計画を立てた。第1四半期の終了時点で、前年を上回るペースで推移している。ホールディングスでは、タイの現地法人は増収、タカノエンジニアリングは増収を見込む。ホールディングスの連結売上高で60億円を達成したい。
PROFILE
山根 令(やまね れい) サンポールホールディングス社長。1983年5月31日生まれ、広島市出身。舟入高校、立命館大学を卒業し、システム開発会社を経て2015年に入社。慶応大学大学院の経営学修士(MBA)を取得し、20年から取締役、21年から専務を務め、22年12月から現職。