精米プラントで世界トップメーカーのサタケ(東広島市西条西本町、松本和久社長)は海外グループのサタケアジア(SAA、タイ)を通じて1月7日、日本最大級の植物由来炭素クレジット(CC)開発事業者のフェイガー(東京)と東南アジアでの事業展開へ覚書を結んだ。詳細はこれから協議するが、SAAの顧客が精米工場で生み出すもみ殻をバイオ炭に加工して活用するといったCC創出が検討候補に挙がっている。
CCは主に企業間で温室効果ガス(GHG)の排出削減、吸収量を売買する仕組み。パリ協定の目標達成に向け、2050年前後のネットゼロ(排出と削減量の均衡)実現が世界的に求められる中、鉄鋼や航空など排出削減が難しい産業では、残余排出を補う手段として関心が高まっている。
東南アジアの精米工場ではもみすりも行うことが多く、サタケの顧客でも精米後のもみ殻の活用が課題。同社は08年にタイで殻を使うバイオマス化発電設備を納入するなど国内外で農業廃棄物を環境事業に転用する方法を模索してきた。フェイガーが商品化を検討中のバイオ炭は一般的に、木材やもみ殻、家畜のふん尿といった原料を低酸素状態で摂氏350度まで加熱して作る。吸水性や保水性を高める土壌改良資材、栄養供給する肥料などとして使える。もみ殻はそのまま農地に混ぜると速やかに生分解されてCO2を放ってしまうが、炭に加工することで分解時間が長くなり、放出量が削減できるという。農家や精米業者は排出低減したGHGをCCとして販売し、収益化できる。
サタケは今年3月3日に130周年を迎えた。25年2月期の連結売上高は前期比横ばいの670億円。海外売上比率40%を30年までに50%へ引き上げたいとする。
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