新人時代 2026.02.16

世界を変える装置 開発に思い込める

スペース・バイオ・ラボラトリーズCEO / 弓削 類 広島大名誉教授

世界を変える装置 開発に思い込める

 広島大発ベンチャーで微小重力環境の再現装置グラビテとリハビリ歩行補助装置リゲイトを製造販売している。作りたいものは今も尽きない。思えば衝動の原点は子どもの頃にあった。
 親に褒められた記憶はほぼないが、太陽熱の湯沸かし器を自作して文科省の賞を受けた時に初めて認められたように思う。以降も創作に熱中し、毎年受賞。大学ではカナダに留学し、筋力を高める研究を志した。「むしろ筋力が減る仕組みを知れば気づきが生まれる」と助言され、目からうろこ。無重力で筋力や骨が弱る宇宙飛行士の健康管理や宇宙実験の世界へ足を踏み入れた。ロケット打ち上げは回数、予算、持ち込む機材ともに限られる。事前に地上で精密にシミュレーションできる装置があれば解決するのではないか。広島大で教壇に立つ傍らグラビテを開発し、レギュレーションの厳しいNASAから一発採用。うれしさがこみ上げた。
 脳卒中で苦しむ人の姿を見て、再生医療も研究。グラビテの微小重力下であれば、薬剤や遺伝子操作に頼らずに間葉系幹細胞の未分化状態を保ち、安定培養できると実証した。当然、手術しただけで元の生活に戻れるわけではなく、リハビリ用のリゲイトも開発。日本人はいちずを好むが、私は複数の研究を手掛けたからこそ点と点がつながった。大切なのは、その分野の歴史を知り、課題を見つけ、スティーブ・ジョブズのように世界を変える思想を起点とした開発なのだろう。

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