遊牧民家族の旅
まさに〝冒険起業家〟が引き寄せた縁だったのだろう。
2011年に東京から本社を移したミチコーポレーション(北広島町)は世界で最も田舎にある出版社をキャッチフレーズに、新規事業で18年に立ち上げた「ぞうさん出版」から1月1日、新刊「私たちは遊牧民として生きることにした自転車遊牧民家族パッシュファミリー」を発刊。ふとした出会いがきっかけだった。
国道186号沿いに〝芸北ぞうさんカフェ〟を運営する植田紘栄志社長が、自転車で走る外国人4人家族に声をかけたのが始まり。故郷スイスからニュージーランドへ自転車で旅するさなかに生まれた12歳と8歳の娘を伴って世界50カ国、10万キロを旅し続けるパッシュ夫妻の体験談をまとめた。
「驚きと感動の連続。リアルな体験に裏打ちされ、圧倒的な説得力があった。その後、旅の途中などでパッシュさんと連絡を取り合ううち〝一緒に本を作ってみよう〟と。旅先から送信してもらった原稿データを試行錯誤しながら翻訳。各章ごとに互いの意見を出し合いながらようやく仕上がった」
声をかけた24年6月から1年半が経過。完全書き下ろしの359頁。初版5000部。全国の書店などのほか、ぞうさんカフェでも販売。2月28日午後2時からエディオン蔦屋家電で出版記念トークイベントを開く。
カフェのほか、米や野菜、椎茸なども生産する。浜田漁港に漁船を所有し海産物も売る。植田社長自身の体験談をつづった冒険起業家シリーズを出版。そうした生き方に、互いに響き合うものがあったのだろう。