インタビュー 2026.02.02

世界初、ゼロカーボン航行 水素混焼エンジンタグボートで実証 

ジャパンハイドロ / 青沼 裕 取締役CEO(右) 神原 満夫 代表取締役社長(左)

開発のポイントは。

青沼 すぐにでも導入できる操舵(そうだ)性を実現したこと。船の耐用年数は20年以上あるため、2050年のZE達成には、今すぐ市場投入していく必要がある。理想は水素専焼だが、まずは実用化を優先した。船員からも従来と変わらない操作感だと評価されている。

総コスト面などに課題はあるか。

青沼 総工費は非公開だが、水素関連開発費は10億5000万円で、日本財団から8億5000万円の助成を受けた。通常の重油専焼TBに比べると約2倍のコストがかかるが、EV化に比べれば2〜5分の1に抑えられている。しかし、全国で導入してもらうには、国などの継続的な援助が欠かせない。

収益モデルをどう描いているか。

青沼 事業なので収益も大切だが、CNは日本全体で取り組む課題。全国各地で造ってもらわなければならない。今回の開発内容は必要に応じて他の造船所にも共有する心積もりがある。当社はベルギーで商用化済みの水素エンジンの総代理店として、ダイハツディーゼル、ミズノマリンと連携して国内販売を進めている。エンジンなどの周辺機器販売で収益を立てていく計画だ。

水素供給の課題は。

神原 陸上固定設備は費用、供給、物流などのハードルが高い。そこで、浮体式の洋上水素ステーション、つまり水素バンカリング(燃料供給)船を今年中に開発する予定だ。柔軟に配備できるほか、水深が浅く大型船が入港できない場面でも燃料供給ができる。

フェリーを計画していると聞いた。

神原 今年度中に65㍍級のカーフェリーでZE運航を目指す。TBが水素混焼だったのに対し、今回は水素専焼エンジンに挑戦。現状の水素供給の難易度を考えると航路が短距離かつ単純なフェリーは適性が高い。一般客が乗船することで水素燃料の安全性を体験していただき、社会受容性を高めたい。

企業や自治体へのメッセージは。

青沼 水素船の実用化は社会全体で取り組むべき課題だ。港湾を持つ自治体、海運、物流企業、エネルギー事業者など、関心のある皆さまにはぜひご参画いただきたい。

神原 水素には未来がある。50年の海事CNへ着実に前進していく。期待してほしい。

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