広島銀行 / 清宗 一男 頭取
海外情勢についてはどのようにみていますか。
米国のトランプ大統領がメキシコ、カナダへの関税、中国への追加関税を表明しており、地元の輸出企業への影響を懸念しています。中国の景気減速の影響など、海外の動向は地方経済に波及しやすく、広い観点から経営に取り組む必要があると思っています。
西条にもライフコンサル拠点
広島銀行の新年の注力分野は。
24年度から中期計画がスタートしました。広島銀行の9月中間決算は本業の収益を示すコア業務純益が、貸出金収支、有価証券収支の増加などで19・8%増の233億円と伸びました。中期計画最終年度の29年3月期には、コア業務純益600億円以上、当期純利益400億円以上を目指していきます。
中期計画での広島県内における取り組みとして、観光部門は、24年度から28年度までの5年間で1300億円の投融資を計画しており、ホテルなどの資金需要にしっかり対応していきたいと考えています。また、ESG・SDGsに関する目標を設定し、達成した場合金利を引き下げる、サステナビリティ・リンク・ローンなど、サステナビリティを巡る課題解決に向けたソリューションの充実も図っています。環境ファイナンスは、24年度から28年度までの5年間で1800億円の融資を計画しています。スタートアップ・ベンチャー支援も、グループで28年度までに累計800件を計画しています。また、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンドを新設し、自社向けの新事業創出にも力を入れています。
法人部門は、金利の将来の先高観もあり、設備投資などの資金需要が堅調です。お客さまの多様化するニーズを捉えるべく、コンサルティング営業の一層の強化を図っていきます。
船舶部門は、人口増加等に伴い安定した海上輸送需要が見込まれ、外航船のリプレイス(代替建造)や次世代燃料船(アンモニア、水素、メタノールほか)への新規投資などによる資金需要も底堅いことから、船舶ファイナンスに係る人員を5年で12人増員し、船舶関連全体の事業性貸出残高を24年3月期の9568億円から29年3月期に1兆1000億円、関連収益を103億円から120億円に増やす計画です。また今後は、昨年1月に新設したシンガポール現地法人と連携し、地元の海運企業の拠点開設サポートなどにも注力していきます。
M&A支援の成約件数は、23年度に36件と過去最高(22年度27件)になりました。事業承継(23年度アドバイザリー契約24件)と共にニーズは高いですね。個人部門は昨年11月に、保険プラザ、個人ローンセンターなど4拠点を幅広い相談が可能な「ひろぎんライフコンサルプラザ」に移行しました。本社ビル45人、ゆめタウン広島13人、イオンモール広島府中8人、福山37人を配置しています(24年12月時点、スタッフなどを含む)。今春には東広島市の西条支店内への新設を予定しています。24年に新NISAが始まったこともあり、改めて資産運用ビジネスの重要性を感じています。
MEJARでの取り組みの進捗状況は。
横浜銀行、北陸銀行など5行が参加するMEJARシステムへの移行に向けた準備は順調に進んでいます。5行とは定期的にミーティングを実施し、事務部門、営業部門の効率化などにも取り組んでいます。また横浜銀行に出向者を派遣し、デジタルマーケティングの分野で連携を強化しています。
人材面の取り組みはどうですか。
採用面では、新卒採用に加え、キャリア採用にも注力しており、今年度は50人を目標にしています。メガバンク出身者、コンサルタント会社出身のDX担当者など多様な人財を採用しています。昨年10月の人事異動で各人の適性を踏まえる中、吉島、牛田など18支店で女性支店長を任命しました。25年は、銀行の人事制度を抜本的に見直しのうえ、これまで以上に性別や年齢などに関わらず、職務を担える人財が適性に応じて活躍できる活力ある組織を実現したいと思っています。
店舗・チャネル政策は。
法人営業は基幹店への渉外担当の集約をほぼ完了しました。店舗の建て替えは移転も含め、25年以降、県内外の4〜5店舗を検討しています。また、24年に設立したひろぎんライフパートナーズで、SBI証券、楽天証券、楽天生命の商品仲介・取り扱いを開始しました。さらに「ひろぎん楽天カード」の発行を始めるなど、楽天グループとは横断的な連携を一層強化しています。