医療機器製造販売のJMS(中区加古町、桂龍司社長)はがん患者や医療従事者の安全確保を目的に、抗がん薬の暴露対策用に開発した国産初の閉鎖式薬剤移注システム「ネオシールド」が伸長し、業績を押し上げている。2014年に市場投入以来、現在は売上高20億円規模に成長。海外でも通用する薬剤移注製品として市場開拓を図り、国内外でシェア拡大を目指す方針だ。
2人に1人ががんに罹患(りかん)する可能性があるといわれる。同製品は国内主要5社が競合するが、輸入品によるものが多い。JMSは、現場の要望を速やかに開発へ反映できる製販開一貫体制を強みに支持を拡大し、国内シェア3位。2026年3月期・第2四半期の業績を押し上げた。医療機器の高度化が年々加速し、がん治療に必要な暴露対策の使用範囲のうち、JMS製は25%程度を占める。調製や投与用のほか、今後は抗がん薬を扱うプロセスを対象に、改良や高度化などを施し付加価値を高める構え。
海外向けは23年からシンガポールの自社工場で生産開始。翌年から現地販売を本格化した。手応えを得てアセアン諸国向けを視野に入れる。閉鎖的・無菌的で簡単に着脱操作ができるネオシールドのコア技術は23年にJAXA(宇宙航空研究開発機構)に採用。定型化細胞培養装置の製品仕様に、安全で効率的に運用できる設計の要求事項を満たせるとして、無重力の閉鎖空間で細胞培養液の交換に継続採用されている。
この記事はいかがでしたか?