エネルギー技術開発や機器製造のブロッサムエナジー(東京)は竹原を舞台に、国内初の商用蓄熱式ボイラーの実用化に成功した。初号機を瀬戸内ゴルフリゾートに設置し、昨年12月23日に実証事業の成果を発表。脱炭素化に向けて普及が進む再生可能エネルギーは、太陽光発電の場合に昼間に余りやすく、風力も常に吹き続けるわけではないといった変動性が課題だ。電気ではなく熱としてためることで、大容量で長時間のエネルギー貯蔵が可能となり、必要な時に取り出せる。
再エネ由来の余剰電力で黒鉛を加熱する。蓄熱は最高温度1000度で容量200㌔㍗時、太陽光発電の余剰時には約2・5時間で蓄えられる。それらを必要な時間帯に最高80度の温水として最長20時間にわたり連続供給する。供給時の温度変動はプラスマイナス5度以内。再生可能エネルギーの利用率100%とし、運転時のCO2排出はない。運用コストは従来型ボイラーと同等水準を想定する。初期投資の回収期間は7〜10年を見込んでいる。今後は実証データを基に量産設計やバリエーション拡大を進め、30年に国内3000機の設置を目指す。
濱本真平CEOは日本原子力研究開発機構で20年間、高温ガス炉の研究に携わった。炉心部の黒鉛は熱容量が大きく冷めにくい特性を持つ点に注目し、2022年1月に創業。広島県の「新たな価値づくり研究開発支援補助金」や「たけはらDX」などの支援を受けた。
この記事はいかがでしたか?