地域経済 2026.01.20

広大、マリンクラフト風の子など カキいかだと船の衝突防止システム 衛星画像解析で可視化、今夏まで検証

広大、マリンクラフト風の子など カキいかだと船の衝突防止システム 衛星画像解析で可視化、今夏まで検証

 広島大学、造船のマリンクラフト風の子(呉市倉橋町、阿部洋和社長)などは、カキいかだと船の衝突を防ぐシステムの実証を今夏まで行う。いかだの位置はカキの生育段階ごとに移動するため把握が難しく、特に視界の悪い夜間に事故が多いという。衛星画像をAIで解析して位置を可視化し、いかだに載せた発信機で接近船に警告を発する。事故防止と養殖業者の損害軽減を狙う。

 同大学が持つ衛星画像解析の知見とAI技術を用いて、位置を高精度に自動検出できるアルゴリズムを開発する。位置情報を地図上に示し、船の所有者や乗員が専用アプリでいつでも確認できるようにする。撮影手法や頻度、解像度の異なるさまざまな種類の衛星画像を試し、検知精度は現在の約70%から85%以上への引き上げを目指す。コスト面も併せて検証する。
 船の通行量が多い地域のいかだには、接近を警告する専用デバイス=イメージ図=を設置する。発信機、GPS(全地球測位システム)、バッテリーを内蔵。専用アプリを入れたスマホと同デバイスが一定距離まで近づくと、アプリと連動したイヤホンで乗員に知らせる。周囲を照らすライトも付ける。デバイスはマリンクラフト社とシステム開発などのシーテックヒロシマ(同市、今井道夫社長)が製作。昨年に機能面の検証を終えており、今後は長期間メンテナンスなしで稼働できるよう素材の選定などを進める。人工衛星システム開発を手掛けるアイネット(神奈川県)が衛星画像解析も含めた全体システムの設計を担う。
 マリンクラフト社の阿部社長は「接触事故による養殖業者の損害額は数百〜数千万円に上り、船も壊れて多額の修繕費がかかる。3〜5年内の社会実装を目指し、例えば養殖業者の許可を得て無料でデバイスを設置し、船舶所有者からアプリ使用料を受け取る形などを検討。いかだの位置の調査業務として行政などからの受託も視野に入れる」と話す。同事業は呉市と同大学による「海洋・海事分野共同研究プロジェクト」(助成上限300万円)に採択。

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