その他 2026年1月5日

スタートアップの息吹 第18回 株式会社RICOS

最先端の技術やサービスで広島のこれからを描くスタートアップ企業を紹介

技術でモノづくりの世界に変革を

事業内容について教えてください。

AIやシミュレーション(CAE)、ネットワーク開発の技術力を武器に、製造業の設計・解析業務を高度化し、製品性能の圧倒的改善やシステムコスト・業務負荷低減をお手伝いします。メイン商品は二つで、一つは従来のCAEに比べ100倍以上高速に結果を得られる、独自AIアルゴリズム登載のシステム「リコス Lightning」。空力などの流体計算や熱の計算に利用可能です。もう一つは商品形状を大量に自動生成し、高性能なデザインを自動探索する最適化ツール「リコス Generative CAE」です。

創業のきっかけは。

東京大学での研究成果として、構造解析のソフトウエアや関連するプログラムが手元にあり、これを活用した起業ができる可能性を感じていました。そんな中、同大のアントレプレナー道場に出場できる機会に恵まれ、ビジネスプランをブラッシュアップし、最優秀賞を受賞。これをきっかけに、2015年12月リコスを創業しました。

サービス概要は。

モノづくり企業の設計・開発部門に対する弊社システムの導入・開発支援、業務の高度化支援などを行います。例えば自動車会社の車内空調設計チーム向けの車内空調シミュレーションでは、従来のソフトよりも圧倒的に高速化した弊社の機械学習システムを提供。弊社独自のAIアルゴリズムを搭載しており、そのシステムにお客さまのこれまでの設計データ(3D CAD)と解析結果のデータを学習させることで、お客さま独自のAIモデルを構築。そのAIが従来のソフトよりも100倍以上早く設計シミュレーションの結果を予測し、設計・解析に関わる工数・計算コストの圧倒的削減や、従来は時間的制約で検討できなかった設計オプションに対して大量の検討が可能になる、といったメリットを得ることが可能となります。

他社サービスとの違い、強みは。

まず、既存の一般CAEシステムとの違いは圧倒的に高速な計算速度と安価な計算コスト、汎用的な使用感です。一般CAEは自動車・機械、エンジンなどの流れや熱の移動をシミュレーションで表すため、膨大な計算量と優秀な専用スタッフが必要です。実際、弊社のお客さまの例でも高価な高性能コンピュータ(HPC)を導入してシミュレーションしています。結果として、解析に関わる人的・時間的・金銭的コストが年々膨れ上がってしまうのです。自動車会社の空力解析の例では一つの計算に数日かかることも多く、開発期間を圧迫する一つの要因となっています。これに対してAI―CAEは複雑な計算を機械学習によって省略できるため、計算速度で圧倒的な優勢があります。また、大規模なHPCではなく、手元のノートパソコンなどで計算可能で金銭的メリットも圧倒的。さらに難しい条件設定などをAIが代替してくれるため、専用スタッフなしで多くの人が汎用的に解析を行えるものになっています。

また、23〜24年頃からAI―CAEが世の中に浸透してきており、多くの競合製品も出てきています。その中で弊社のシステムは、より少ない学習データでより幅広い形状変化や新規形状の解析結果の予測に対応可能。これは特許取得済みの弊社独自のAIアルゴリズムを利用していることに起因する特徴で、多くの方からご評価いただくポイントでもあります。

導入実績、事例を教えてください。

マツダさま、スズキさまをはじめとする複数の国内外の自動車会社、ダイキンさまをはじめとする家電・機械メーカーなど累計で数十社程度の方々と取引させていただいております。リコスライトニングについては、空力・空調などの流体解析・熱解析などを行うお客さまが利用。また、リコス ジェネラティブ CAEは「より多くの製品形状を自動で多数生成してほしい」「その中で最も性能が良い、最適な形状を提案してほしい」といった設計に関する課題にアプローチ。自動車会社・建築会社などで実績があります。

ユーザーからの評価は。

「従来のシステムと比べて信じられないくらい高速にシミュレーション結果を得られるので、これまで時間がなくて検討できなかった領域まで形状検討を追い込むことができる」、「リコスライトニングは物理的な性質をAIアルゴリズムの中に入れており、結果としてより広い新規形状に対して予測が可能となっている。AI―CAEを使う場合よりも多くの形状に対応することが求められており、とても魅力的な要素だと思う」といったお声を頂いています。

今後の活動について。

皆さまにご満足いただける精度・速度・サービス内容となるよう、フィードバックに迅速にお応えしていきます。また、海外でもビジネスが取れ始めてきたため、欧州を中心にチーム編成とビジネスの進展を狙いたいです。

会社概要・問い合わせ先

(株)RICOS
住所:東京都千代田区丸の内2-3-2
設立:2015年
TEL:03-5615-9777

(株)広島ベンチャーキャピタル(HVC)
TEL:082-504-3979
Mail:info@h-vc.co.jp
担当:古川・吉田

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PROFILE
株式会社RICOS / 井原 遊 CEO

株式会社RICOS / 井原 遊 CEO 北海道大学・東京大学で、コンピュータシミュレーションのアルゴリズムや利用技術に加え、富岳をはじめとするスーパーコンピュータを用いた並列計算の研究に従事。シミュレーション(CAE)活用が不十分な現実を改善すべく、ブラウザベースのCAEプラットフォーム研究開発や、CAEアプリの高速化に関する研究プロジェクトを手掛けた。東京大学アントレプレナー道場に出場し、博士課程在学中の2015年にRICOS(リコス)を創業した。

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