女性知事の抱負
働いて、働いて…と5回くり返した高市首相。12月1日に初登庁した横田美香知事(54)は、これだけは実現したいと五つの目標を示した。県政初の女性知事への期待は大きい。自然体で臨むとし、並々ならぬ決意を秘め力強く抱負を語った。

県が抱える課題を克服し、長所をどう伸ばすのか。①農林水産業の生産力を強化し次の世代に残していく。②若者や女性が住みたくなる地域づくり。③地域の宝を生かし、創造性や文化・歴史を感じられる観光振興。④防災・減災対策、危機管理の強化。⑤核兵器廃絶、恒久平和に向けた取り組み―を挙げた。
「特に転出超過が続く現状に危機感がある。若い世代が働きたいと思える環境づくりが急務。既存企業の魅力向上や発信の支援、企業誘致に力を入れる。成長分野をあらかじめ固定せず、多様な産業の厚みを育てることが将来につながる。女性として積み重ねてきた経験を自然体で県政に生かし、県民が誇りと愛着を実感できる広島を築きたい。湯崎県政を承継しつつ、新たな挑戦を進めていく」
さっそくカキの大量死問題にぶつかり、農林水産省時代に蓄えた知見、らつわんを振るってもらいたい。
地方創生マルシェ
損害保険大手の損保ジャパン全従業員約2万人のうち、3500人が働く本社ビル(新宿区)の社員食堂を活用し、11月25日に広島県のブランドショップTAUと連携した「地方創生マルシェ」が開かれた。
地域活性化と人口減少を克服するため、2015年に政府が地方自治体に「地方版総合戦略」の策定を求めたことに呼応し、全国に拠点を展開する損害保険会社として、企業の社会的責任を果たそうとマルシェ事業を始めた。当日はにしき堂の生もみじ、メロンパン(呉市)のパン各種、島ごころ(尾道市)の瀬戸田レモンケーキなど約108種類を販売。広島支店の穴山将広支店長は、
「広島には魅力的な名産品がたくさんあるので、弊社の本社社員にも大変好評でした。広島の活性化に一役買えればうれしい」
街まるごとポイント
東証プライム上場企業の創業者である丹下大さんが兄の工さんと故郷の神石高原町で立ち上げたまちづくり会社マサーント(同町)は昨年12月導入した独自ポイント制度の対象施設を広げている。12月中には温泉施設も加わり11カ所で利用可能になる見込み。住民の利便性を高めつつ、移住促進にも結びつける構えだ。
「神石高原ポイント」と名付け、各店のタブレット端末で客のスマホのQRコードを読み取り、ポイントを付与する。ガソリンスタンド、一棟貸しの高級ホテル、レジャー施設、東京・西麻布と福山駅前で営む焼肉店などをカバーし、利用額の1〜10%がたまって各店の値引きなどに充てられる。ポイント原資は付与した店が負担。11月上旬時点の利用者は4千人弱で累計94万ポイント以上を付与。担当者は、
「今後は町内の商店や観光施設ほか、電気・ガス・交通といったインフラ事業者にも参画を働きかけ、ポイント経済圏を構築したい」
人口減少が課題となる同町だが、同社を通じた移住者はこれまでに14人に上る。将来は移住時の初期費用として多額のポイントを提供する施策も構想しているという。
11月末にトレーラーハウスを活用したビジネスホテルも開業。地域に新たな循環を生む挑戦は、さらに加速していきそうだ。
温かい心の記憶
クリスマスイブの願いをかなえてあげたい。リゾートホテルを運営する江田島荘(能美町中町)は2022年から毎年、クリスマスの日に阿部直樹社長(35)自らサンタクロースになり、東広島市西条町の児童養護施設「広島新生学園」の子どもたち約60人にプレゼントを手渡す。
江田島荘館内でギフトに充てる寄付金を募り、初年度は71件で計52万2950円、23年は84件で53万円、24年は92件で72万円が集まった。さらに活動を広げようと任意団体「ジングルベルこども願い基金」を11月に設立。銀行振り込みも対応する。阿部社長は、
「私は3兄弟の末っ子で兄のおさがりが多く私のために準備されたギフトをもらうことが少なかった。だが、小学2年生のクリスマスの朝、目を覚ますと枕元に一番欲しかったキャラクター玩具が置いてあり、飛び上がるほどうれしかった。自分のために用意してくれた、その温かい心がいつまでも残り、大きな力となった。多くの子どもたちの心にも温かい記憶として息づいてくれるとうれしい」
その記憶は人から人へ伝わり、思いやりを育むと信じている。
Z世代を戦力に
多大な時間と労力、コストを割いて採用した若い人材が、さあ今からという時さっさと辞めていく。いかにして定着させるのか。
シナジークリエイツ(中区) は4月から「Z世代戦力化コンサルタント」の活動を始めた。野村明未社長は元々マナー講師として新人研修などに多くの実績を持つが、その日限りの研修だけでなく組織強化や人材育成を合わせた伴走支援がしたいと思い立った。社名もマナーズ・クリエイトカンパニーから改め、相乗効果で取引先の未来をつくるという意気込みを込めた。
「Z世代の扱いに困っているという声はよく耳にしますが、彼らが悪いのではなく、育った環境が異なるだけ。それを理解することが第一歩となります。例えば業務で指導をする際も、なぜそうするのか、どんな成長につながるか、納得してもらえればスムーズに進むケースは多い。大切なのは上司・先輩がしっかりZ世代の考え方や価値観を踏まえ傾聴、共感、承認する風土を醸成すること。そんな職場には、ここで働きたいと望む若者が自然と集まるはずです」
双方の意識ギャップは大きい。コンサルは1年間にわたることもあり、何よりも覚悟が大事という。
自分の意見を持つ
テラスホールディングス(西区)の桑原明夫社長の1日は新聞を読むことから始まる。2時間かけ、5紙に目を通す。大学卒業後に入社したリクルート時代からの日課という。
「スマホの普及によって情報収集が自分の選択に偏りがちになってはいないか。新聞は一覧性があり、世の中の動きがざっと分かる。好むと好まざるにかかわらず満遍なく、さまざまな出来事を教えてくれる。たまたま目に留まった記事はスマホだと見逃したかもしれない。検索で情報を選り好みすると、結果として必要な情報を遠ざけてはいないか。世の動きをキャッチし、想像力を働かせ、考える力、洞察力を鍛える。何よりも自分の意見を持っておきたい」
市内主要ビルの解体工事ほか、新築・リノベや賃貸・空き家管理、飲食店など事業領域を拡大。読む力が発想を育むのだろう。