小林料理長の願い
来年1月6日から中区中町のANAクラウンプラザホテル広島5階の中国料理「桃李」のメニューに登場する〝食べて整う中華ランチ〟には、小林徹料理長の並々ならぬ思いが込められている。
広島女学院大学(東区牛田東)の管理栄養学科に学ぶ3年生7人らと共に開発した7品で構成。大学と共同開発したメニューは同店で初めて。小林料理長は企業が主催する料理教室で教えていた縁で同大の講師を引き受けており、2019年からは年2回ペースで2年生対象の調理実習の授業を担当している。
「そうした授業の一環で病院給食用に取り組んだレシピ開発を、ホテル仕様に振り向けて何度も試作を重ね、ようやく仕上げた。授業では中華料理の基本や料理に対する姿勢などを教えている。メニューは全て自分たちで考え、完成品発表の日には材料やヘルシーな調理法、地産地消などのポイントもしっかり披露することができた。自主的に下級生の教室にも出向き、メニューの狙いを説明するなど、目覚ましい学生の成長に期待している」
若者の県外流出が続き、このままではいけない、広島を何とかしなければという思いをずっと抱いていたという。
慢性的な定員割れにより、広島女学院大は来年4月1日付で京都の学校法人YIC学院へ経営を移管。27年度から共学化し、YIC学院大学に名称変更する予定。そうした中、少しでも地域に貢献でき、学生の励みにと企画を練っていた。
食を通じ、広島の文化や魅力を広めていく。小林料理長が踏み出した第一歩を引き継ぎ、さらに若者らがレシピに磨きを掛けてくれるよう願う。
古墳型の集合墓
先祖代々の墓に入るのか、新しい墓を建てるのか。〝終活〟が頭をよぎる頃、気になり出すが、何と前方後円墳を忠実に再現した集合墓が西区の「メモリアルパーク観音新町」内に新築される。
明治天皇の玄孫(やしゃご)で、日本文化の研究や作家として活動する竹田恒泰さんは昨年4月、東京都港区に新会社「前方後円墳」を設立。竹田式古墳墓の企画販売を始めた。11月に広島県内初の着工を発表。完成は約1年後を見込む。日本古来の大王墓である前方後円墳を再現するほか、三種の神器(御鏡、御剣、御勾玉)などの制作にも対応。既に同様の墓を千葉、大阪、香川で売り出し、墳丘の長さ20㍍の大阪では発売1カ月で363件を契約。竹田さんは、
「考古学者とも協力して、現代の古墳の在り方を探求している。日本古来の文化への理解が広まることに期待」
県内第2弾で東広島市でも計画を進めているという。
空港アクセス改善へ
長年の課題として残る広島空港のアクセス改善を目的に、県は福山と尾道の両方面を結ぶ乗合ワゴンタクシ―「エアポートライナー」の実証運行を11月1日スタートした。来年1月末まで。
福山方面の既存リムジンバスは運転者不足の影響で便数維持に懸念があり、アサヒタクシー(福山市)に委託。片道最短50分で福山駅と周辺のホテル5カ所で乗客を送迎する。1日10往復以上を予定。料金は1人4500円で小学生未満無料。ウェブサイトと電話での予約受け付けに加え、同月26日からニアミー(東京)のアプリで申し込めるようにした。AIによる渋滞回避ルートの判断などで、フライトごとに適した到着時間に対応。利便性を高めた。尾道方面は大平交通(尾道市)などに委託。ウェブと電話で予約。
1993年の移転開港以来、空港まで遠く所要時間がかかるといった課題を抱え、いまだ抜本的な解決に至っていない。11月29日に就任した横田美香知事はどう対応するのか、インバウンドでにぎわう空の玄関口に新たな風を吹き込んでもらいたい。
うごチャレ
合言葉は〝うごチャレ〟。県は、公共空間を活用して運動(うごく)習慣化にチャレンジしてもらう取り組みを本格的に始めた。
11月15日にあった「コミュニティフェス」(ひろしまスタジアムパーク)は、災害時の避難を想定した障害物リレーなどで盛り上がった。芝生広場に地域コミュニティーや飲食店のブースが並び、約1000人が来場。運営を担ったユニレク代表の黒口慎也さんは、
「身近な公共空間で多世代が一緒に運動する新鮮さがあり、初対面でも自然と声を掛け合う光景が広がった。健康増進の第一歩になればうれしい。ブースを巡ってコミュニティー加入を申し込む姿を見ると、市民が新しい居場所や仲間を見つけるきっかけとなったように思う」
来年1月17日開く「わんぱく親子体操〜ケロポンズと踊ろう」(グリーンアリーナ)など、年度内に10以上のイベントを予定。
語り継ぐ物語
10月25日に始まった広島城の天守閉城カウントダウン企画展「広島城天守 〜時代を超えて語り継がれる物語」は来年3月22日をもって終了。新しい天守が完成するまで天守に登れなくなり今、多くの歴史ファンが訪れているという。
木造での天守再建が検討されており、完成時期は未定。毛利輝元が1592年頃に完成した初代天守は原爆で倒壊。1951年広島国体に合わせて仮設の2代目、58年の復興大博覧会に合わせて現在の3代目が再建された。初代の複連結式の天守模型や2、3代目天守の建築時の写真など70点、実物資料22点を展示。企画担当者は、
「街のシンボルとして建築・再建された天守を改めて知ってもらいたい。閉城以降、天守で展示している広島城下絵屏風などの資料は、2026年度オープン予定の三の丸歴史館に移管する予定です」
日曜午前11時、午後2時に学芸員ガイドがある。大人370円。
注目している女性
創業支援のソアラサービスの牛来千鶴社長からメルマガが届いた。注目している二人の女性がいるという。
一人は、生成AIで事業効率化を支援する20代の起業家。伴走支援1時間付き無償セミナーを実施したところ満員御礼。あっという間に仲間と共に会社を設立した。スピード感もさることながらサービス内容はこれから、と物おじしない攻めの姿は、たくましい。
一人は、国語教師の経験を踏まえて、文章コンサルティングを始めた。まだ言葉になっていない、その人の内なる思いや考えを、仕事や発信に使える言葉に再構築する。だが、これを仕事にすることは容易でない。自撮り動画を毎日SNSでこつこつ発信し続けている。なかなかできることではない。いつか化けるかと思えてくる。
そして「素早く実行する素直さがいい。いいなと思ったことはやってみる。きっと可能性を開く」と結ぶ。