AIエンジン開発のエテジャパン(三原市港町、石川恵理香社長)は、実際の人物の性格や思考パターンを把握してコンピュータ上に人物像を再現するAIエンジン「Sapis(サピス)」を開発し、県内事業者らと実証を進める。幅広い分野で活用を見込み、例えば塾や学校で生徒ごとの性格特性に合わせた教材の自動制作や、性格分析に基づく最適な人材配置計画の立案といった使い方を想定する。
9問ほどの質問に答えると、ビッグファイブ、MBTIといった数種類の心理学理論をベースにした独自のフレームワークに基づき、53万通りから性格を診断する。加えて、質問への反応速度などから情報処理の傾向(論理、直感、体感型)、意思決定のパターン(慎重、迅速、協調型)などを判断して思考プロセスを再現し、日常のチャットの会話などで精度を高める。質問や特定の条件に対し、その人物がどのような考えを持つかを予測できる。これまでにGMOインターネット(東京)のグループに、システム上に構築した顧客像を使って広告の効果を探るマーケティング支援ツールを納入済み。別の企業と、ベテラン社員の知見や考え方を盛り込んだ新人教育ツールの検証を進めている。
本社を置く中国地方を起点に同エンジンを広めようと、ソリューション開発のデジタルツイン総合研究所(島根県)と各地で実証を進める。県内では自治体に愛着を持つ人の人物像を作り、関係人口創出のための企画立案に生かすプロジェクトなどを検討。ソフトバンク運営のデジタル化推進拠点「せとうちテックラボ」(福山市)に今夏からデモ機を展示し、協業先を募っている。
石川社長は16歳で単身渡米し、同国やシンガポールで起業。帰国後にIBMなどで経験を積み、今年1月にエテジャパンを設立した。ソフトウエア技術に関する総合的標準を開発する国際的コンソーシアムのオブジェクト・マネジメント・グループの日本支部理事長を務める。