地域経済 2025.11.17

農業ベンチャーの佐々木 キクラゲで家畜由来のGHG削減 九州大学と共同研究スタート

 広大発農業ベンチャーの佐々木(東広島市八本松町、江口康人社長)は9月から九州大学大学院と共同で、家畜が出すゲップや排せつ物などに含まれる温室効果ガス(GHG)放出削減を狙う共同研究を始めた。同社が得意とする営農型太陽光発電で栽培したキクラゲをヤギや牛などの反すう家畜の飼料に混ぜ、腸内環境の改善や飼料利用効率の向上を図る。これまで再生可能エネルギーの導入が難航していた畜産業で、環境配慮と低負担で導入できる採算性を両立する持続可能な産業モデルの構築を目指す。
 反すう家畜が消化過程で発生させるGHGは地球温暖化の一因とされ、畜産業の課題となっている。これまで海藻のカギケノリを食べさせて発生を抑える研究が全国で進められてきたが、通常の飼料よりも消化効率が悪いためコストの増加がネックとなっていた。同社は、家畜の内臓にある乳酸菌が消化時に発生する温室効果物質の生成を抑える研究と、栽培が容易で普及が進んでいるアラゲキクラゲに含まれる多糖類などの成分が、家畜の腸内で乳酸菌をはじめとする有益微生物を増やす研究の二つに着目。両者と営農型太陽光発電を掛け合わせた新たな研究を、同大学院農学研究院資源生物科学部門の森田康広准教授に提案した。
 同社は太陽光発電所のパネル下のスペースを使ったキクラゲ栽培を推進。売電で利益を確保することで、中国産と同水準の低価格で高品質な国産品を提供する体制を整えており、毎日膨大な飼料を消費する畜産でも導入への経済的障壁が低いという。今回の研究では発電と農業を組み合わせた複合経営のモデルとして、栽培したキクラゲを乾燥・粉末化して飼料に混ぜ、給餌による家畜の生理変化や環境負荷低減効果を検証する。
 同社は2020年設立。年内に兵庫県福知山市で自社初の営農型太陽光発電所の稼働を予定している。

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