福留ハム / 福原 治彦 社長
今春発売した添加物を使わないハムやソーセージの新ブランド「MIRAI(ミライ)」の手ごたえは。

昔ながらのハム・ソーセージの製法を研究する中から着想を得て、約3年をかけ開発。国産豚肉を塩水に長時間漬け込むことで、肉本来のうまみや保水結着力を引き出す。手間暇がかかるため、希望小売価格はウインナー(81㌘)、ハム・ソーセージ(各48㌘)共に321円と既存製品に比べて高めだが、健康に気を遣う消費者に支持されている。今秋には中四国の量販店を網羅。関西の大手小売りのほか、九州、関東でも採用が増えている。当社を代表する「花ソーセージ」に次ぐ看板商材になると確信しており、いつどのスーパーでも買える状態を目指す。
全国大手など同業との価格競争が激化する中、こうした高付加価値商材の強化が経営再建のカギを握る。全体の中でのウェイトはまだ低いが、製造技術を生かしたプライベートブランド品の開発などに注力し、食肉加工品の売り上げのうち、こうした高付加価値商材を2割程度まで引き上げたい。
収益改善の柱は。
来年2月、本社と研究開発センターを西区商工センターから広島工場(安佐北区三入南)内に移転する。固定費の削減に加え、本社と現場のコミュニケーションを活発化し、意思決定のスピードを上げる狙いだ。また、中四国や九州の支店の一部を営業員だけの出張所に変え、管理機能を集約する。
併せて、採算改善の取り組みを加速。2023年に製造と営業で別れていた組織を見直し、仕入れ、生産、販売を一気通貫で運営・管理する体制に変えたが、26年10月の新基幹システム稼働を機に一層高度化。作りすぎの防止に向けた発注量や時期の見直しなど、工場単位の改善活動も続ける。検品用AIロボットなど機械化を推進。原料価格の高騰を反映した価格改定も進める。
業務提携先とのクロスセルで売り上げを増やすと共に、これらの取り組みを徹底することで、27年3月期に売上高262億7000万円、8期ぶりの黒字となる営業利益1億4000万円を計画している。
目指す会社像は。
ハムやソーセージを作っている企業はたくさんある。その中で、世の中になくてはならない商品を生み出し続ける会社でありたい。それが従業員のよりどころや矜持、自信につながる。今一度、社員と思いを共有し、一歩一歩着実に歩みを進めたい。
PROFILE
福原 治彦(ふくはら はるひこ) 1970年1月7日生まれ、広島県出身。麗澤大学外国語学部を卒業し、98年入社。2011年の取締役、16年の副社長などを経て20年から現職。