安全運転を楽しむ
世界有数の長寿大国日本。しかし加齢とともに身体機能の衰えは避けられない。高齢者の運転事故防止対策が社会問題になり、自動車学校が果たす役割も大きくなった。
2002年から満70歳以上に高齢者講習が義務付けられた。昨年の受講者は全国で約387万人(県内約9万9000人)に上り、10年前の約1・5倍。75歳以上から必要な認知機能検査は約265万人(県内約6万9000人)と約1・6倍に増えた。
広島中央自動車学校(西区観音新町)で指導員を務める大庭修子さんは、
「免許証取得のための教習に対し、高齢者講習は一日だけ。短時間での講習に全神経を集中しています。私の田舎の母は70代後半。現役で働いており移動手段に車は欠かせない。自然と親に接する気持ちになります。夜道はむろんのこと、慣れた道こそ危険を伴う。長年ハンドルを握る人生の先輩に敬意を表しながら、安全ポイントをしっかりと意識していただくよう強調しています」
年間の普通免許取得者数はピークの1990年に約261万人だったが、昨年は約147万人に減った。川端伸夫社長は、
「50年以上も前に免許証を取得し車に乗り始めた団塊世代も、やがて免許証返納が増えてくる。自動運転レベル1〜3では免許証携帯が必須。一方で自らハンドルを握って運転したいと思う人は多い。いつまでも安全にドライブを楽しんでいただきたいが、安全こそ最優先」
21年に大型2種の教習指定を受け、来年は普通2種の指定を予定。幅広い車種で需要に対応する構え。
広島の酒を楽しむ
最北端は庄原市東城町から最南端は呉市倉橋町まで、県内に幅広く酒蔵が分布するせいか、広島の酒は他県に比べて蔵ごとの個性が強いという。
飲み比べを通じて個性的な味わいの魅力を知ってもらいたいと県酒造組合は10月1日、中区新天地の広島アリスガーデンで「第19回広島の酒祭り」を開いた。5年ぶりとなった昨年に続き、コロナ禍後で2回目。県内38蔵のほか、県食品工業技術センターなどが出展。同組合の梅田修司会長は、
「蔵ごとの酒の特長が伝われば、おのずとファンがつく。しかし経済や情報伝達のスピードが加速する中、蔵単独でPRするのは体力的にも限界がある。今後も県内の蔵が一堂に会する場を設け、事業規模を問わず個性に注目してもらえるよう組合挙げて支援したい」
城と月と酒
中秋の名月に城、日本酒がよく似合う。福山観光コンベンション協会(西正尚代表)は10月4〜5日、日本酒を楽しむイベント「福山城酒肴祭」を開いた。2023年に福山酒まつり実行委員会などと共同で立ち上げ、今年で3回目。
会場の天守閣前広場に延べ4900人が集まった。同市唯一の酒蔵天宝一をはじめ県内8、県外2社が参加。夏に蔵で熟成した秋酒や逸品が振る舞われ、近隣の飲食店による関東煮、ねぶとの唐揚げといった伝統料理「福つまみ」に舌鼓を打った。発起人で蔵元代表を務める天宝一社長の村上康久さんは、
「近隣の飲食店にも足を運んでもらいたいと考え、今年はイベントの終了時刻を午後6時とし、チケットに飲食店のサービス券を付けた。春の福山ばら祭と共に年中行事として定着させ、地域を盛り上げていきたい」
価格転嫁は難しい
つくだ煮製造のヒロツク(西区商工センター)は主要原料の昆布生産量が減り続け、他県で老舗同業者の廃業が相次ぐ中、新商品開発や販売ルート開拓などで上昇ペースを維持。前3月期決算で売上高25億2000万円を計上し、2年続けて最高額を更新した。
生協向け、市販、業務用の3本柱がそれぞれ伸びた。しかし主原料の一つ、昆布は大手との調達競争が激化し、仕入れ値の上昇が加速。取引先に理解を求めながら少しずつ売価に上乗せするが、全面的な価格転嫁は難しいという。竹本新社長(42)は、
「近年、同業者廃業などのニュースが多く、業界環境は一段と厳しい。北海道の昆布生産量は25年前に3万㌧だったが、今は1万㌧を割り込む。代わりにキノコやキクラゲ、ヒジキ、サンマといった商品の開発に力を入れている。ここでも長年培った煮る、炊く技術が役立っており、先人からのたまものと感謝している」
数年前に参入した介護食も好調。通信販売と共に新たな柱へ育てる方針だ。今期の売上高目標は25億5000万円。足下を固めて一歩、一歩進めていく構えだ。
ドローン相撲
ドローン講習などのノーリミットファクトリー(福山市)は年内に、ドローンをぶつけ合わせたりして戦う「ドローン相撲」の大会を県内で始める。
ドローンの魅力発信を目的に発足した、日本ドローン相撲協会に所属。先行する愛媛などに続き、県内や近県の大会を取り仕切る。試合はネットフェンスで区切った2㍍四方の「土俵」で球体のドローンを使い、1対1で勝負に挑む。ネットや地面への接触(押し出し)などで負け。横綱〜序の口までの番付を設け、上位者は全国大会に出られる。参加費は機体の貸し出し含め2000円程度。
子どもや女性といった新たな担い手と接点をつくり、講習の受講者増につなげる。講習後の技能向上の場としても生かす。行政や教育機関との共催も検討。ドローンサッカーほど広いコートを必要とせず、住宅展示場や携帯キャリアの集客イベントとしての実施も視野に入れる。後藤伸二社長は、
「2022年の国家資格制度創設を機に資格保有者は増えているものの、有人地帯での目視外飛行ができる1等はまだ少ない。若い人らを積極的に取り込んで業界の裾野を広げ、社会実装に向けてエンジンをかけたい」
市民野外上映会
昨年開業したピースウイング広島の西側河岸緑地で、10月25日午後6時半から「ポップラ劇場2025市民野外上映会・この世界の片隅に」が開かれる。市映像文化ライブラリーなどの共催。
開場は午後3時半。屋台や、シャボン玉などの昔遊びコーナーも。片渕須直監督のトークと次回作「つるばみ色のなぎ子たち」のパイロット版も上映する。07年の「夕凪の街桜の国」以降、「ももへの手紙」などを上映してきた実行委員会は、
「コロナ禍やスタジアム建設などで中断していたから6年ぶり。今年は被爆80年と、主人公すずさん生誕100年と重なる。欧州の民族弦楽器シターによる夕凪コンサートも企画しており、多くの人に観て、聴いて楽しんでもらいたい」
申し込みは22日に締め切る。(電)090―4695―3077(山崎)
姜さんの講演会
東京大学名誉教授で著名な政治学者の姜尚中(カン・サンジュン)さんが講師を引き受けてくれた。今年で設立10年の「漱石と広島」の会(山本一隆会長)が記念講演会の講師を懇請していたところ、先ごろ快諾の返事が届いた。
11月1日午後1時半から、中区の広島市まちづくり市民交流プラザで「漱石は東アジアの共通の文化財〜魯迅(中国)と李光洙(韓国)とのつながり」をテーマに講演する。主催は広島市立中央図書館。
漱石の思いを読み解いた著作もある姜さんは「漱石は私のメンター(成長の支援者)」という。漱石と、間接的に影響を受けた中国と韓国の二人の作家とのつながりなどを話してもらう。高市総理の誕生で一段と東アジアへの関心が高まっており、専門分野の政治談義に及ぶだろうか。広島国泰寺高校放送部による朗読「夢十夜」(うち2編)もある。無料。定員150人で受付順。
お知らせ
修道学園創始300周年記念の第61回広島修道大学同窓大会が11月1日午後7時からリーガロイヤルホテル広島である。会費7000円(今年3月卒業生3000円)。問い合わせ(電)082―830―1321(同窓会事務局)