広島大学(越智光夫学長)はマツダと共同で、車内のような狭い空間の空気質を高感度で評価する新手法を開発した。空気の全体量が少なく測定が難しい空間でも、効率的に含有物質を収集できる装置を同大が製作。マツダ車を用いた研究により、長く使われた車内の空気は炎症を誘発しやすいと明らかにした。同大では今後、この手法を車以外の屋内施設でも応用したいとする。
屋外などの空気質を調べる場合は、空気を大量吸引する装置(エアーサンプラー)のフィルターに十分な量の物質が集まるが、狭小空間で同様の手法は困難とされる。同大ではガラス製で円筒形、気体を導入するノズルが付いた瓶「インピンジャー」の効率を高めるため、瓶内部にある蒸留水の微細な泡ができるよう工夫したほか、跳ね返りや飛び散りを軽減。一定量の物質を集めた後に水を培養液化し、ヒトの免疫細胞に処置して反応を調べる手法を発想した。
マツダとの共同研究では使用期間の異なる2台の車を用意。両方の車内で空気質を回収し、それぞれ免疫細胞に処置したところ、新しい車両(2020年製、走行距離6600㌔)に比べ古い車両(10年製、同8万7000㌔)の方が空気質の炎症性が高いと分かったという。
将来的な展開として同大は、例えば経年車両内の空気質を改善する手法があれば需要が見込めるほか、住宅や病院、福祉施設といった場所の快適・安全な空間づくりに生かしたいとしている。
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