地域経済 2025.09.18

チェンソー製造で国内一のやまびこ カーボンニュートラル対策を加速 太陽光・蓄電池や水素エンジン発電実証

 広島の新ダイワ工業をルーツに持ちチェンソーや刈払機の製造で国内トップのやまびこ(東京、久保浩社長)は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速している。 30年に20年比50%の温室効果ガス削減、50年にサプライチェーン全体で実質ゼロを掲げ、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく開示やCDP(環境対策レベル)スコアの強化を進める。
 この方針の下、広島事業所(北広島町)では出力1469㌔㍗の太陽光発電設備を設置し、25年5月に自家消費型PPA(電力購入契約)を始めた。想定年間発電量は114万㌔㍗時で、初年度は625㌧のCO2削減を見込む。PPA契約にはSDGs推進団体への寄付を盛り込んでおり、認定NPO法人環境リレーションズ研究所が取り組む東京都檜原村での植樹を支援する。

 太陽光パネルと蓄電池、発電機などを組み合わせた可搬型発電システム「マルチハイブリッドキューブ」を開発し、24年から電動自転車や工事現場の仮設ハウスなどへの給電といった実証実験に相次ぎ取り組んでいる。CO2排出量と燃料費を約9割削減する効果を確認し、25年6月には同システムの10㌔ボルトアンペア型の販売を始めた。また国内で初開催された電気自動車レース「2024年 東京 E―Prix」では、水素エンジン発電機の実証機を用いてフードトラック10台に7時間連続で安定給電した。クリーンな排気や静かな動作音で来場者の反応は良好だったという。既存のディーゼルエンジンを水素燃料で運転するための改造技術を持つi Labo(東京)と共同開発しており、25年8月には同社に出資する形で資本業務提携契約を結んだ。今後も協業しながら環境対応のニーズに応え、新規ビジネス創出を狙う。

 作業効率が高く環境規制に適合したエンジン製品やバッテリー製品のラインアップ拡充に加え、農林業向けの開発に力を入れる。子会社のやまびこジャパンが扱うロボット芝刈機や電動高所作業機など5機種が、環境省と農林水産省の25年度「農業機械の電動化促進事業」の補助対象に採択された。CO2排出量削減のほか高齢化と就労人口減少が進む現場の生産性向上を後押しする。
 24年12月期連結決算は草刈りシーズンの長期化や新製品の投入が奏功し、前年比8・9%増の売上高1648億円、74・7%増の純利益158億円を計上。営業利益、経常利益と共に過去最高を更新した。今期は売上高1670億円、純利益125億円を予想する。

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