東証グロース上場のデータホライゾン(西区草津新町)を創業した内海良夫氏は持続可能な水稲栽培を目指し、今秋を目途に「(社)若者米作り推進協会」設立準備を進めている。米農家の高齢化が加速し、耕作放棄の水田が増加。高校や大学を卒業したての若者が一定期間の研修を経て水稲栽培に参入する仕組みを確立し、日本の米作りを維持していく活動に取り組む。
内海氏はこれまで社会問題の解決に着眼し、起業してきた。データホライゾンでは健康増進や医療費適正化を目指す独自の医療関連情報サービスを確立。医療現場に〝予防〟の流れをつくる一石を投じ、データヘルスを軌道に乗せてきた。米作りに関しては水稲栽培の担い手不足を解決する策を長年温めていた。若者参入を促し、自立できる水稲栽培を後押しするビジネスモデル構築を目指す。
一部で100㌶以上の大規模水田で経営的に成功している事例もあるが、米農家でない限り、水稲栽培が進路に選択されることはほとんどないという。専業農家の損益分岐点は水田面積7〜8㌶といわれ、採算性の確保が困難なことも参入を阻む。食料安全保障の観点から日本の水田を維持していかなければならないと考えた。内海氏は「自立できる若手農業経営者が毎年最低500人は新規参入しないと日本の水稲栽培は維持できない。しかし、小規模の水稲栽培では農機具や肥料など生産コストに見合う収益が見込めない。新規参入の障壁が高すぎる」と指摘。米作り農家の平均年齢は70歳を超えており、ここ数年が水田を持続するラストチャンスともみる。
若者を水稲栽培に促す仕組みは、米作りの研修を受けながら会社勤め並みの年収を2年間支給する間に、農業経営者として自立してもらう。原資は内海氏個人で用意する予定。水田は、耕作放棄地の発生防止と解消へ農用地などの中間的受け皿となる各地域の農地中間管理機構(農地バンク)に仲介してもらう。原則、賃借方式で栽培する計画。閑散期の冬季には、耕作放棄地が増え続けている沖縄でサトウキビ栽培に従事する構想だ。中国5県でも公的機関を通じて水田を賃借する予定。9月9日、農林水産省は10年後に農地後継者が未定の実態を都道府県別に初めて集計し公表。拡大する耕作放棄地の対策に乗り出す。内海氏は同協会の活動を通じ、若い人が希望を持って参入できるビジネスモデルの賛同者を募っていきたいとしている。