大げんかした
被爆80年。体験者が高齢化する中、後世へ平和をどのように伝えていくのか。広島西南ロータリークラブは8月26日のオープン例会で「被爆100年に向けて『平和』の新しい伝え方」と題し、講演会を開いた。
広島を舞台にした映画「惑星ラブソング」の時川英之監督と、プロデューサーを務めた中国放送の横山雄二アナウンサーが登壇。広島出身の時川さんと、県外出身の横山さんの間に温度差があり、時に大げんかしながら議論を重ねたという。悲惨な映像や表現が苦手な人に配慮が必要な一方で、広島を題材にする上で譲れない表現がある。かんかんがくがく。ファンタジー風の映画という「変化球」を編み出した。時川さんは、
「人はあまりに悲惨な映像に目を背けてしまう。黒澤明監督の言葉だが、事実を事実として伝えるだけでなく、興味を持ってもらう方法を模索することが大事ではないか」
横山さんは、
「戦争の100全てを語る必要はない。100のうち一つに特化した作品を複数見ることで、伝わる平和もあると思う。惑星ラブソングがその入り口になればうれしい」
9月7日に西区民文化センター、21日にはアステールプラザでホール上映を予定。両氏そろってトークセッションに登壇する。
イチゴ一会
廿日市市吉和の農園「ラフレーズ」の夏イチゴ「冠苺(かんむりいちご)」が長野や栃木などの有力産地を抑え、第1回「全国夏いちご選手権」(日本野菜ソムリエ協会)で最高金賞を獲得。8月25日、ラフレーズ代表の栗田直樹さんらが廿日市市の松本太郎市長を訪ね、報告した。
「そうそうたる産地がそろう中、廿日市産の夏イチゴを全国に知ってもらう機会になり、うれしい。栽培経験が浅く試行錯誤の連続だが、吉和の自然環境が補ってくれた。年中イチゴが楽しめる地域として廿日市の中山間を盛り上げていきたい」
冠苺は、ハウス4棟のうち標高750㍍にある2棟で栽培。受賞を起爆剤に廿日市のイチゴを全国区に広めたいと意気込む。松本市長は、
「特産のカキやアサリに並ぶコンテンツになるよう願っている。まさに上平良地区で国内屈指の観光施設建設が進展しており、関係者らと連携して新たな産業を興すチャンス」
佐伯商工会の会員同士で、専務理事を務める田原農園の今田徳之さん、ワイ・ワイファームの水田耕太さんら有志3人で立ち上げた苺キングダムプロジェクトにも弾みがつく。情報交換はむろん、イチゴのPR活動にも熱が入る。それぞれに醸造酢メーカーや菓子店と組んで加工品の商品化も進めており、イチゴ一会に期待。

レジーナ頑張れ
SNSを使ったファンからファンへの情報発信が、スポーツチームにとって力強い味方になるという。サンフレッチェ広島は8月23日、女子チーム「レジーナ」の練習風景や試合中のプレーを捉えた〝映える〟写真を撮影してもらうイベントを開いた。
後援会から一眼レフカメラを保有する会員を募集。80近い応募から当選した15人が参加した。Jリーグ公式カメラマンの西田泰輔氏の撮影講習後、エディオンピースウイング広島ピッチでの練習風景やスタンド最前列から試合を撮影。技術向上を応援し、どしどし投稿してもらう狙いだ。事業本部の三桝賢太広報部長は、
「男子チームに比べて認知度が低く、新たなレジーナファン拡大につながるSNSの活用は極めて重要。公式アカウントに対するファンの反応だけでなく、ファン自身が撮影、投稿する効果は大きい。見栄えの良い写真や選手に注目が集まる投稿を増やし、サポーター獲得に威力を発揮してくれると期待」
参加者が撮影した写真はチームのSNSなどで使うほか、被写体となった選手の直筆サインを添えて撮影者へ返送する。
広大球場を刷新
広島大学は東広島キャンパス内の野球場を改修し、8月26日に記念式典を開催。体育会硬式野球部OB会の会長で、内装材卸などを手掛けるムライ(南区出島)社長の村井研一さん(84)が真新しいグラウンドに一歩を踏み、どこか誇らしげだった。
工事では外野の芝生や防球ネットを刷新したほか、クッション性の高いフェンス、電光式のスコアボードなどを導入し、公式戦も行える仕様に。総工費1億5000万円のうち1000万円を同OB会の寄付で賄った。村井さんは卒業後の1967年に広島六大学野球連盟が発足したことを受け、当時不在だった監督に20代半ばで就任。以降13年ほど指揮を執ったという。現役部員らを前に、
「私の時代の練習場は現在の中区千田町。ピッチャーマウンドが申し訳程度に盛られているだけの簡素なグラウンドだった。立派な球場で、張り切ってプレーしてもらいたい」
激励後、球場を後にする姿は背筋がピンと伸び、元気そのもの。鍛錬のたまものなのだろう。式典には他に、単独で1000万円を寄付した同部OB、バルコムの山坂哲郎会長も参加した。
とびらを開く
呉市立美術館は9月6日〜11月3日、呉市合併20周年記念の特別展「美術にであう5つのとびら」を開く。市内4美術館の所蔵作品を一堂に展覧。
同館85、蘭島閣美術館14、三之瀬御本陣芸術文化館9、南薫造記念館23の計131点がそろう。五つの扉は、4館の名品を紹介する「呉でであう美術」、抽象表現などを中心に展示する「わからない美術?」、実際に触れて鑑賞できる「手でふれる美術」、風景や作家の旅などをテーマにした「土地をいつくしむ美術」、作家たちの戦争体験や戦後をテーマに「平和をねがう美術」それぞれに趣向を凝らす。学芸員の渡辺千尋さんは、
「地域ゆかりの作家を紹介するだけでなく、近年の呉市の美術文化活動を振り返ることを主眼とした。若年層をはじめ、なかなか美術館を訪れる機会の少なかった方にも、より気軽に来館していただきたい。五つの展示テーマを設けたほか、対話型鑑賞や工作ワークショップなどの関連イベントも計画。今回の展覧会をきっかけに市内美術館が連携し、美術作品の調査研究や展覧会事業などを企画、共催する活動へ広げていければと願っている」
シルクハット姿
広島市現代美術館で特別展「記憶と物」が9月15日まである。被爆80年企画で所蔵作品など約60点を紹介。広島出身で海軍大臣、首相を務めた加藤友三郎の銅像もある。戦時中、軍服姿の頭像は撤去されたが、ワシントン軍縮会議の功績を顕彰し、シルクハット姿の銅像になった。