高齢化見据え免許返納後の選択肢に
県内の自動車ディーラー各社は高齢者の増加などを見据え、最高時速6㌔で歩行者と同じ扱いとなる1人乗り小型電動モビリティーの周知や拡販に力を入れている。店舗に展示し運転免許返納後の選択肢の一つとして提案するほか、グループ会社との連携による一時利用サービスも登場。顧客が自動車を手放した後も同モビリティーを通じてつながりを維持する狙いだ。

19店舗を展開するダイハツ広島販売(西区)はメーカーのダイハツ工業が8月25日に新発売した「eスニーカー」をほぼ全店に配備する。同商品は家庭用コンセントに2時間半程度つなぐと満充電となり、その場合の航続可能距離は12㌔。福祉用具扱いのため消費税は非課税で、価格は41万8000円。ダイハツ広島販売では既に一部の大規模店舗などへ導入している。広島トヨタ自動車(西区)が運営するダイハツ東雲、同五日市でも販売する。

ネッツトヨタ広島(西区)は東京のベンチャー企業が開発した「WHILL(ウィル)」を2022年から取り扱っている。ウィルは軽量で折りたためるタイプや走破性に優れた仕様など4種をラインアップし、価格は同25万7000円〜48万7000円。今年6月にはグループ企業、広島レンタカーの車両とセットでウィル2種を貸し出すサービスを始め、例えばマイカーを持たない層にも訴求しやすくなった。ウィルは広島マツダ(中区)グループで並行輸入車販売などのカーエース広島も扱う。

安全運転講習会を通じてスズキの「セニアカー」をPRするのはスズキ自販広島(西区)。今年4〜5月にかけて安佐北区、竹原市、安芸高田市で計3回開き、延べ約60人に障害物検知サポートなどの機能を体感してもらったという。他に、トヨタ製の「シーウォーク」シリーズは広島トヨペット(西区)、広島トヨタ、ネッツ広島などが扱う。
警察庁によると、運転免許の自主返納件数(年間、全国)は16年に30万件を突破し、23年は38万2957件だった。東京・池袋で高齢ドライバーの暴走事故が起きた19年は60万件を超えている。