地域経済 2025.08.21

広大発ベンチャーの佐々木 発達障害者の山間部就農に成功

農福連携へ移動式トイレ活用拡大

広大発ベンチャーの佐々木 発達障害者の山間部就農に成功

 広島大学発農業ベンチャーの佐々木(東広島市八本松町、江口康人社長)は〝農福連携〟を目指し、中山間地で障害者が就農する際のネックとなる排泄環境の不備を解消するための実証実験を行った。感覚過敏の特性を持ち普段と違うトイレが使えないことがある発達障害者の女性(22)が7月に、同社の移動式トイレトレーラーを利用しながら農作業を完遂。こうした例は全国で珍しいという。

 横浜市リハビリテーション事業団などの研究チームによると、自閉スペクトラム症といった発達障害を持つ子どもは臭いなどを過敏に感じることが多く、保護者の77・5%が公共トイレの利用で困った経験があるという。大人の発達障害者にも同様の傾向があり、使いやすいトイレが農地にないことは障害者の就農への障壁となっている。同社が2024年に全国初導入したトヨタ自動車製の同トイレはバリアフリーで広い構造に加え、EVけん引車からの給電で空調の利用もできる。使用感や活用状況などをトヨタとも共有しているという。
 実験では、京都府内の自社農地に設置。利用者は閉所恐怖症もありコンビニなどのトイレは使えなかったが、通常利用や着替えのほか、感情の起伏を抑えるカームダウンエリアとしても活用できた。同トイレは他に高齢者、下肢障害者向けや、災害時の備えとして全国の自治体で導入が進んでいるが、現状は防災訓練などでの利用にとどまっている。江口社長は「福祉サービスは前例がないとできないことが多い。障害者就労の多角化に向け、さらに幅広いハンディキャップに対応できるか確かめたい。また28年までに車両を増やして活用範囲を広げられれば」と話す。
 20年設立。25年3月に東広島市と「災害時の避難所等におけるモバイルトイレの貸与に関する協定」を締結。26年までに太陽光発電による電力のみを使う運用を目指す。

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