インタビュー 2025.08.21

データに基づく政策提案を 風通しよく明るい組織づくり

中国地域創造研究センター / 外林 浩子 会長

データに基づく政策提案を 風通しよく明るい組織づくり

 産業活性化やまちづくりなど、中国地域のさまざまな課題解決を担うシンクタンクであり、産業振興に向けた支援機能も担う。6月に就任した外林浩子会長(中国電力・取締役常務執行役員)に抱負と地域経済の現状について聞いた。

就任の抱負をお願いします。

 当センターは前身の団体を含めると長い歴史を持つ。私の代で組織がぐらつかないようにし、もっと言えばさらなる発展の実現に尽力したい。就任あいさつでは風通しの良い、明るい職場にしていこうと伝えた。

手掛けたいことはありますか。

 三つの課題があると考えている。一つは人材のこと。主力研究員が年齢を重ねており、人材の確保と育成をしっかりと進めていかないといけない。二つ目は、成果を目に見える形でアウトプットすること。人口問題、新産業創出など、さまざまな地域課題に取り組んでいるが、それが県の政策につながったなど、きちんと周知することが必要だろう。
 三つ目はブランド力の向上。情報発信を含め、センターの価値をいかに訴求するか。差別化、強みを整理して明確に打ち出していけたら。

中国地域の経済状況は。

 鉄鋼や化学、自動車、機械など、ものづくりの集積地であり輸出比率が高い。トランプ関税や中東のエネルギー動向などの影響を受けやすく、状況を注視する必要がある。
 人口減少対策は急務だろう。2023年に効果的な定住・移住促進策の検討のために行った大規模意識調査をまとめた書籍を発行し、この分野の知見を積み上げている。この書籍をきっかけに、地域内だけではなく域外の自治体からも連携の依頼が寄せられている。政策立案を含めて、しっかりと伴走支援してきたい。

人口転出対策で必要なことは。

 去年から中国電力で女性活躍推進を担当しているが、人口転出を語るときに女性活躍の話題も同じ枠組みの中に出てくる。特に若い女性が転出し、働く場の選択肢が少ないという。そこから何を打ち出すのか。エビデンスに基づく政策立案が必要であり、感覚に頼らず調査結果を基に有効な策を提言していく。

脱炭素化の取り組みは。

 脱炭素化は新たな技術開発や、既存技術に横ぐしを刺す技術統合など、従来型ではない手法も求められる。21年からは広島県カーボン・サーキュラー・エコノミー推進協議会の業務を受託。県内のさまざまなプレーヤーを組成するなど具体的なプロジェクトメークに携わりたい。地域産業の維持成長に向け、脱炭素化は重要課題。そこへの関与は地域のシンクタンクとして欠かせない。

印象深い仕事を教えてください。

 中国電力には新規事業の担当で中途入社し、グループ会社の経営支援や経営改善の案件を多く手掛けた。印象深いのは介護事業の整理。当初計画から乖離が大きく対策が必要だった。一時黒字化したこともあったが、電気事業と領域が異なりシナジーも少なかった。最終的にM&Aで事業売却したが、さまざまな経験をした案件だった。
 もう一つ、中電病院を東区二葉の里地区の新病院計画に統合する検討を担当し、最終判断のところまで担った。医師の確保などの観点で、中電病院の経営は長年の懸案だった。大学卒業後に編集者として、大学病院を訪ねて学術書の原稿を受け取る仕事をしていた。その点で私は電力会社の中では予備知識もあり、やりやすい方だったかもしれない。

仕事で大事にしていることは。

 大きな会社にいると仕事を選べないため、仕事をいかに面白くし、楽しいことを見つけるかが重要。だから前例を踏襲せずに足跡を残したいと考えてきた。研修会を開いたりプロジェクトを立ち上げたり。わずかに文章を変えるだけでもいい。そういうことを一生懸命やってきた。
 また決断するときはロジカルに考えるよりも勘を大事にする。直観は、途中で変わることはほとんどない。

 座右の銘は「たかが仕事、されど仕事」かな。もちろん仕事は大事だが、追い詰められても、たかが仕事と思うくらいがちょうど良い。私は子育てや家事があり、仕事ばかり考えていられない環境だったことが、かえって良かった。

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PROFILE
そとばやし ひろこ

そとばやし ひろこ 1960年7月24日生まれ、東京都出身。東京女子大学を卒業後、学術書の出版社、幼稚園の立ち上げなどを経験し、2004年に中国電力に入社。24年6月から取締役常務執行役員として女性活躍推進、内部監査部門長を務める。海外旅行好きだが、猫を飼い始めて家にいることが増えた。愛猫に「職場では披露できないような優しい声で話しかけている」と笑う。

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